リオンリオン

リオンリオン：才能と挫折、そして華麗なる血統

リオンリオン。その名は、フランス語で「ライオン」を意味する。この響きは、彼の競走馬としての短いながらも華々しい軌跡、そして、惜しまれつつも幕を閉じたキャリアを象徴しているかのようだ。2016年1月28日、北海道安平町のノーザンファームで誕生したリオンリオンは、セレクトセールにおいて8,400万円という高値で落札される。育成時代から、他の馬を凌駕する跳躍能力で注目を集め、大きな期待を背負ってデビューの日を迎えた。

デビューは2歳(2018年)。札幌競馬場の新馬戦で2着とまずまずの滑り出しを見せるも、勝ち上がることができず、3戦目にして初勝利を手にした。その後、黄菊賞では3着と惜しくも連勝はならなかった。

3歳(2019年)になると、水仙賞、大寒桜賞と勝利を重ね、オープンクラス入りを果たす。そして、大きなターニングポイントとなる青葉賞に挑む。重賞初挑戦ながら、単勝オッズ10.5倍という人気薄ながらも、1枠2番という好枠を活かし、ハナを奪って逃げ切り勝ち。重賞初制覇の快挙を成し遂げた。

続く日本ダービーでは、横山典弘騎手の騎乗停止により、息子である横山武史騎手が急遽代役を務めることとなる。武史騎手にとって、GI初騎乗、ダービー初騎乗というメモリアルな舞台となった。リオンリオンは果敢に逃げの戦法に出たものの、ハイペースの消耗がたたって15着に敗れた。

秋初戦となったセントライト記念では、単勝5.3倍の1番人気に推され、再び重賞タイトルを獲得。2着馬に2馬身差をつける圧勝劇で、重賞2勝目を飾った。しかし、その直後、左前脚浅屈腱炎を発症。菊花賞への出走は叶わず、競走馬生活に暗雲が立ち込める。その後、懸命なリハビリを続けたものの、結局復帰することなく、2021年4月17日に競走馬登録を抹消された。

リオンリオンの血統背景もまた、注目に値する。半兄には、平地と障害の両方で重賞勝利を収めたメドウラークがいる。祖母トゥザヴィクトリーは、エリザベス女王杯優勝、ドバイワールドカップ2着という輝かしい実績を残した名牝であり、その優秀な血統は、リオンリオンの潜在能力の高さを示唆している。トゥザヴィクトリーの近親には、数々の重賞勝ち馬が名を連ねており、その系譜はリオンリオンの才能の片鱗を垣間見せてくれる。

短い競走馬生活だったものの、リオンリオンは、その類まれな才能と持ち前の闘志で、多くのファンを魅了した。そして、その血統は、種牡馬として次の世代へと受け継がれていく。リオンリオンの物語は、競走馬としての成功と挫折、そして、華麗なる血統という複雑な要素が絡み合った、ドラマチックな軌跡だったと言えるだろう。彼の名は、競馬史に刻まれた、一頭の才能ある競走馬として、永遠に語り継がれていくことだろう。

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