リカバリーディスク

リカバリーディスクについて

リカバリーディスク（Recovery Disc）とは、パーソナルコンピュータ（PC）のオペレーティングシステム（OS）やソフトウェア群を、出荷時の状態に戻すための特別なディスクです。このディスクは、リカバリーCDまたはリカバリーDVDとも呼ばれ、システムが正常に機能しなくなった場合に役立ちます。

21世紀に入ってからは、リカバリーディスクを同梱しないモデルが増えてきました。最近のPCでは、ハードディスク（HDD）やソリッドステートドライブ（SSD）にリカバリー領域が設けられています。たとえば、ChromeOSやMicrosoft Windows 10以降のバージョンでは、OSの開発元が提供するリファレンスイメージを利用しても、標準でリカバリー領域が設定される仕組みになっています。この仕組みは、インストール済みのデバイスドライバーを障害発生前の状態に戻せるため便利です。また、USBメモリを接続して「回復ドライブ」を作成することも可能です。

再発行の手続き

リカバリーディスクを紛失した場合、多くのメーカーは再発行のためのサービスを提供しています。ChromeOS搭載の製品では、ChromeウェブストアからリカバリーUSBイメージを再発行することができる「Chromebook リカバリ ユーティリティ」が存在します。しかし、リカバリーディスクの再発行はメーカーによって異なります。たとえば、ソニー製のPCでは、事前にオンラインで製品登録を行わなければ再発行を受けられません。しかし法人向けのPCではオンライン登録ができず、やむを得ず中古品を購入した場合はリカバリーディスクを入手できないことがあります。また、PCの製造元とソフトウェアベンダーとの契約によっては、一定期間を過ぎた後に再発行が不可能になることもあります。

リカバリー領域について

最近の市販PCでは、リカバリー領域と呼ばれるストレージの一部が、OSを含むソフトウェア群を工場出荷時の状態に復元するために確保されています。このリカバリー領域は、特に光学ドライブがないノートPCやネットブックにおいて重要です。

リカバリー領域はPCの内蔵ストレージ内に隠しパーティションとして保存され、その内容は通常は見ることができません。リカバリーを行う必要が生じた場合、特定のキーを押して起動することで、この隠し領域からリカバリー機能を起動します。

各社での呼称

メーカーによってリカバリー領域の名前は異なります。Appleでは「Recovery HD」として知られていますが、リカバリー操作自体は「復元機能」と呼ばれます。また、IBMでは「Disk to Disk」との名称が使われ、NECでは「再セットアップ領域を利用したセットアップ」と呼びます。富士通は「トラブル解決ナビ」という名称で提供しています。これらの異なる呼称は、それぞれの企業の方針やユーザーの利便性を考慮した結果です。

まとめ

リカバリーディスクやリカバリー領域は、PCを安定して運用するための重要な要素です。これらの仕組みを理解しておくことで、問題が発生した際に迅速に対処できるようになります。また、再発行の手続きや各社の呼称を知っていることも役立ちます。今後、PCを使用する上で、リカバリーに関する知識を持っていることは非常に有益です。

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