リカルド・ラマス

リカルド・ラマス：レスリングの申し子、UFCを彩った闘将

リカルド・ラマスは、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身の、キューバ系とメキシコ系の血を引く元総合格闘家です。

彼の格闘技人生は、エルムハースト大学でのレスリングから始まりました。NCAAディビジョン3で活躍し、オールアメリカンに選出されるほどの高い実力を誇ります。大学卒業後は、母校でレスリングコーチを経験し、指導者としてのキャリアも積みました。

2008年、プロ総合格闘家としてデビュー。その後、WEC（World Extreme Cagefighting）に参戦し、キャリアを積み重ねます。WEC 39でプロデビュー戦を飾り、判定勝ちで華々しいスタートを切りましたが、WEC 42では惜しくも敗北を喫しました。

2010年、WECがUFC（Ultimate Fighting Championship）に吸収合併されると、ラマスもUFCの舞台へ。フェザー級に転向した彼は、UFCでのキャリアで、その真価を発揮します。

UFC Live: Kongo vs. Barryでマット・グライスを相手に、衝撃的な1ラウンドKO勝ちで初勝利を収めると、続くUFC on FOX 1ではカブ・スワンソンから見事な肩固めで一本勝ちを収め、「サブミッション・オブ・ザ・ナイト」を受賞。

その後も、日沖発選手らとの対戦を制し、着実に勝利を重ねていきます。2014年には、UFC世界フェザー級タイトルマッチで王者ジョゼ・アルドに挑戦。惜しくも判定で敗れ王座獲得とはなりませんでしたが、世界トップレベルの実力を改めて世界に示しました。

UFCでの活躍は目覚ましく、チャド・メンデス、マックス・ホロウェイといった強豪選手との対戦も経験。勝利と敗北を繰り返しながらも、常にトップレベルで戦い続けました。

彼のキャリアにおけるハイライトの一つとして挙げられるのが、2016年11月のUFC Fight Night: dos Anjos vs. Fergusonでのチャールズ・オリヴェイラ戦でしょう。見事なギロチンチョークで一本勝ちを収め、「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞しました。

2018年にはミアサド・ベクティック、2019年にはカルヴィン・ケイターに敗れるなど苦杯を嘗めることもありましたが、2020年、ビル・アルジオとの対戦では判定勝ちを収め「ファイト・オブ・ザ・ナイト」を受賞。この試合を最後に、2020年9月、現役引退を表明しました。

リカルド・ラマスは、卓越したグラウンド技術と、レスリングで培った高い打撃能力を武器に、UFCにおいて数々の名勝負を繰り広げました。彼の戦績は、総合格闘技史にその名を刻むにふさわしいものと言えるでしょう。

彼は、初代ISCF北中部ライト級王者に輝き、ブラジリアン柔術黒帯の腕前も持ち合わせていました。UFCでは「サブミッション・オブ・ザ・ナイト」「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」をそれぞれ1度ずつ受賞しており、その実力は折り紙付きです。

リカルド・ラマスは、総合格闘技界に多大なる貢献を果たしたレジェンドの一人として、長く記憶に刻まれる存在となるでしょう。彼のキャリアは、後進の格闘家たちにとって、大きな刺激と指針となるに違いありません。

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