リクアビスタ

リクアビスタ（Liquavista）は、2006年にフィリップスからスピンオフして設立された、オランダに拠点を置く企業です。同社は、エレクトロウェッティング技術を応用した、革新的なディスプレイ技術の研究開発を行っていました。

エレクトロウェッティング技術

リクアビスタの核となる技術は、エレクトロウェッティングです。これは、電圧をかけることで液体の接触角を変化させる現象を利用したもので、従来の液晶ディスプレイとは異なり、バックライトを必要とせずにカラー表示を実現できるのが特徴です。この技術により、リクアビスタのディスプレイは、非常に低い消費電力で動作し、屋外など明るい場所でも視認性が高いという利点があります。

テキサス・インスツルメンツとの提携

リクアビスタは、テキサス・インスツルメンツ（TI）と協力し、同社のOMAPプロセッサーとリクアビスタのディスプレイを組み合わせた製品開発を進めていました。この提携により、ポータブルメディアプレイヤーや電子書籍リーダーなどへの応用が期待されていました。

技術の商業化

2010年には、リクアビスタは技術の商業化に向けて最終段階に入り、OEMメーカー向けにSDK（ソフトウェア開発キット）の提供を開始しました。また、Plastic Logicとの提携を通じて、薄型でフレキシブルな電子新聞の開発にも取り組んでいたとされています。

サムスン電子による買収

2011年初頭、リクアビスタはサムスン電子によって買収されました。買収金額は非公開でした。この買収により、リクアビスタの技術は、サムスン電子の製品に統合されることが期待されました。

Amazon.comによる買収

その後、2013年5月13日に、Amazon.comがサムスン電子からリクアビスタを買収したことが発表されました。この買収により、リクアビスタの技術は、Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」など、自社製品への応用が進められる可能性が出てきました。

まとめ

リクアビスタは、エレクトロウェッティング技術という独自のディスプレイ技術を開発し、低消費電力で高視認性のディスプレイを実現しました。設立から数度の買収を経て、現在はAmazon.com傘下となり、その技術は今後の製品開発に活用されることが期待されます。


参考文献

Home - Liquavista - Electrowetting based low power, always viewable color video displays (2016年4月3日閲覧)
BBC News - Colour e-readers with video shown off (2016年4月3日閲覧)
* Electronic paper targets colour video (Nature Photonics 2: 204–205) (2016年4月3日閲覧)

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