リダウツチョイス

リダウツチョイス：競走馬から伝説の種牡馬へ

リダウツチョイスは、オーストラリアが生んだ稀代の競走馬にして、後世に大きな影響を与えた種牡馬です。その華麗なる競走馬生活と、種牡馬として築き上げた偉大な功績、そして突然の死までを振り返り、オーストラリア競馬史に刻まれたその足跡を辿ります。

輝かしい競走馬時代

1998年から2000年にかけて競走馬として活躍したリダウツチョイスは、デビューからわずか1週間後、ブルーダイヤモンドステークスを制覇するという衝撃的なデビューを飾りました。これは、彼の類まれな才能を世に知らしめる、鮮烈な幕開けとなりました。その後も、マニカトステークスで古馬を相手に勝利するなど、3連勝を達成。若駒ながらその非凡な能力を示しました。

彼の最大のライバルは、同期の強豪テスタロッサでした。両者は幾度となく激突し、G1競走で互いに2勝ずつを挙げましたが、最終的な対戦成績はリダウツチョイスが2勝4敗と、テスタロッサに軍配が上がりました。それでも、リダウツチョイスはG1を4勝という輝かしい成績を残し、オーストラリア競馬界にその名を刻み込みました。テスタロッサが翌年の安田記念で引退するまで現役を続けたのに対し、リダウツチョイスはより短い期間でその才能を爆発させました。

種牡馬としての成功

2000年、アローフィールドスタッドで種牡馬入りしたリダウツチョイスは、種牡馬としても類まれな成功を収めました。初年度の種付け料は3万3000オーストラリア・ドルでしたが、その産駒たちはすぐにその能力の高さを証明しました。2004年には産駒のロッテリアがG1競走を制覇し、その後もG1勝ち馬を多数輩出。デビューからわずか3世代で10頭以上のG1勝ち馬を送り出すという、驚異的な記録を達成しました。

この活躍により、リダウツチョイスの種付け料は急騰。2007年と2008年には33万オーストラリア・ドル（当時のレートで3000万円以上）に達し、産駒の落札価格も100万オーストラリア・ドルを超えるケースが続出しました。2008年には1歳馬の平均落札額が70万オーストラリア・ドル以上となり、オーストラリア競馬界に大きなセンセーションを巻き起こしました。世界経済の減速を受けてバブル景気のような状況は収まりましたが、その後も常にトップクラスの種牡馬として君臨し続けました。

彼の産駒からは、Musir、Nadeem、スニッツェル、Stratumなど、多くの種牡馬が誕生しました。特にスニッツェルは、2013-2014年シーズンにリーディングサイアーランキングで父であるリダウツチョイスに次ぐ2位となり、オーストラリア史上初の父子によるリーディングサイアーワンツーフィニッシュを達成するなど、その血統の偉大さを示しました。2007年にはシャトル種牡馬として日本にも導入され、フラワーパークなど、多くの日本馬にもその血を受け継がせました。

突然の死と、永遠の遺産

2019年3月25日、回復不可能な外傷により、リダウツチョイスは安楽死の措置が取られました。その突然の死は、オーストラリア競馬界に大きな衝撃を与えました。しかし、彼の競走馬としての華麗な活躍と、種牡馬として残した偉大な功績は、多くのファン、そして競馬関係者の記憶に永遠に刻まれています。彼の血統は、今もなお、世界中の競走馬たちの能力向上に貢献し続けています。リダウツチョイスは、単なる名馬ではなく、オーストラリア競馬の歴史に燦然と輝く、まさに伝説の種牡馬だったと言えるでしょう。

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