リチャル・カラパス

リチャル・カラパス：エクアドルが生んだ偉大なロードレース選手

リチャル・アントニオ・カラパス・モンテネグロ（Richard António Carapaz Montenegro）は、1993年5月29日、エクアドルのカルチ県トゥルカン郡エル・カルメロで生まれました。彼は、ロードレースにおける傑出した才能を持つ自転車競技選手であり、数々の輝かしい実績を誇ります。特に、2019年のジロ・デ・イタリアでの総合優勝、そして東京オリンピック2020での金メダル獲得は、彼のキャリアにおけるハイライトと言えるでしょう。

プロキャリアの幕開けと成長

カラパスは2016年にストロングマン・カンパニョーロ・ウィリエールでプロとしてのキャリアをスタートさせました。同年6月にはモビスター・チームへ移籍し、エクアドル出身の自転車競技選手として初めてワールドツアーチームに所属するという快挙を成し遂げました。2017年のグラン・プレミオ・インドゥストリア・エ・アルティジャナートでは2位に入り、その才能の片鱗を見せ始めます。

2018年のジロ・デ・イタリアでは、第6ステージで新人賞マリア・ビアンカを着用し、第8ステージでは自身初のワールドツアー、そしてグランツールでの勝利を飾りました。新人賞争いではミゲル・アンヘル・ロペスに敗れたものの、個人総合4位という素晴らしい成績を残しました。

ジロ・デ・イタリア制覇

2019年、カラパスはジロ・デ・イタリアで更なる飛躍を遂げます。山岳ステージである第14ステージで区間優勝を果たし、総合首位に躍り出ました。その後は、ヴィンチェンツォ・ニバリやプリモシュ・ログリッチといった強豪たちの攻撃を巧みに凌ぎ、見事エクアドル人として初の総合優勝を達成しました。この勝利は、エクアドル国民にとって大きな誇りとなり、カラパスは国民的英雄として迎えられました。

チーム移籍と新たな挑戦

2020年にはチーム・イネオスに移籍し、新たな環境で更なる高みを目指します。2023年にはEFエデュケーション・イージーポストへ移籍。

2024年のツール・ド・フランスでは、第3ステージで区間14位に入り、トップと同タイムの選手の中で最もステージ順位の合計が少ないという理由で、エクアドル人として初めてマイヨ・ジョーヌを獲得しました。マイヨ・ジョーヌは1ステージ限りで手放すことになりましたが、第17ステージで区間初優勝を果たし、最終的には山岳賞と総合敢闘賞を獲得しました。

主な戦績

カラパスは数多くのレースで素晴らしい成績を収めています。以下に主な戦績をまとめます。

2017年：グラン・プレミオ・インドゥストリア・エ・アルティジャナート 2位、ルート・デュ・スュド ヤングライダー賞
2018年：ブエルタ・ア・アストゥリアス 総合優勝（第2ステージ優勝）、ジロ・デ・イタリア 区間優勝（第8ステージ）
2019年：ブエルタ・ア・アストゥリアス 総合優勝、ポイント賞（第2ステージ優勝）、ジロ・デ・イタリア 総合優勝、区間優勝（第4,14ステージ）
2020年：ツール・ド・ポローニュ 区間優勝（第3ステージ）、ブエルタ・ア・エスパーニャ 総合2位
2021年：ツール・ド・スイス 総合優勝（第5ステージ優勝）、ツール・ド・フランス 総合3位、東京オリンピック 個人ロードレース 金メダル
2022年：エクアドル選手権 優勝（個人タイムトライアル）、ボルタ・ア・カタルーニャ 区間優勝（第6ステージ）、ジロ・デ・イタリア 総合2位、ブエルタ・ア・エスパーニャ 山岳賞（第12,14,20ステージ優勝）
2023年：エクアドル選手権 優勝（個人ロードレース）、メルカントゥール・クラシック・アルプ＝マリティーム 優勝
2024年：エクアドル選手権 優勝（個人タイムトライアル）、ツール・ド・ロマンディ 区間優勝（第4ステージ）、ツール・ド・フランス 山岳賞、 総合敢闘賞（第17ステージ優勝）

リチャル・カラパスは、その類まれなる才能と努力によって、エクアドルだけでなく、世界の自転車競技界において多大な影響を与えています。今後の彼の活躍から目が離せません。

リチャル・カラパスのプロフィール - ProCyclingStats

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