リチャード・カフイ

リチャード・カフイ（Richard Kahui）

リチャード・カフイは、1985年6月9日にニュージーランドのトコロアで生を受けた、プロフェッショナルラグビーユニオン選手である。グラウンド上では主にセンター（CTB）のポジションを務め、その強靭なフィジカルとスキルを活かして活躍している。体格に恵まれ、身長は190センチメートル、体重は102キログラムを誇る。選手としてのニックネームは「Kacks」として知られている。

彼のラグビーキャリアは、学生時代に早くから頭角を現したことから始まる。フォレスト・ビュー・ハイスクール在学中の2001年には、16歳以下のニュージーランド代表に選ばれ、翌2002年には17歳以下の代表でもプレーするなど、ユースレベルで将来を嘱望された。その後、ワイカト工科大学へと進学し、ここでも才能を磨き続けた。2003年には19歳以下の代表に名を連ね、2004年も引き続きこのカテゴリーでプレーした。

国内のシニアレベルでは、2004年にニュージーランド州代表選手権（現在のITM CUP）に参戦するワイカト州代表チームに加わり、ノースランド戦で公式デビューを飾った。ユース世代での活躍は続き、2005年、そして2006年と2年連続で21歳以下の代表に選出される。

プロリーグでのキャリアは、2006年にスーパー14（現在のスーパーラグビー）のハイランダーズに加入したことから始まった。このシーズンのチーターズ戦でスーパーラグビーデビューを果たし、その実力を証明した。また、同年にはニュージーランド・マオリ代表にも選ばれている。2006年は彼にとって飛躍の年となり、エアニュージーランドカップにおいては最多トライを記録し、さらにその年のベストプレイヤー賞（2006 steinlager award for the Air New Zealand Cup's best player）を受賞するなど、目覚ましい活躍を見せた。

2007年には、ハイランダーズからチーフスへと移籍し、スーパーラグビーの舞台で経験を積んだ。そして2008年、遂にニュージーランド代表、オールブラックスに初選出される栄誉に浴する。同年6月21日のイングランド戦で念願の代表デビューを果たした。また、同年のオーストラリア戦ではセンターだけでなくウイングとしても出場し、多才さを示した。

彼の国際キャリアにおける最大のハイライトの一つは、2011年に母国で開催されたラグビーワールドカップへの出場だろう。この大会でニュージーランド代表の一員としてプレーし、チームは見事優勝を飾った。彼はこの歴史的な勝利に大きく貢献した。

2013年からは、日本のトップリーグへと活躍の場を移し、東芝ブレイブルーパス（現在の東芝ブレイブルーパス東京）に加入した。日本での公式戦デビューは、同年12月1日に行われたジャパンラグビートップリーグ2ndステージの第1節、トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦で、途中出場での出場となった。日本での経験を重ねる中で、2017年には東芝ブレイブルーパスの主将に就任するなど、リーダーシップも発揮した。

日本のクラブを離れた後、2020年7月には再びスーパーラグビーの舞台へ。ウェスタン・フォース（フォース）への加入が発表された。これに伴い、同年9月には長年在籍した東芝ブレイブルーパスを退団している。

リチャード・カフイは、ユース時代から各カテゴリーの代表を経験し、スーパーラグビーやオールブラックス、そして日本のトップリーグで長きにわたり活躍した、ニュージーランドを代表するセンターの一人である。特に2011年のワールドカップ優勝に貢献した功績は大きい。

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