リチャード・デービス (野球)

リチャード・アール・デービス：近鉄バファローズのスターと、その影

リチャード・アール・デービス。1953年生まれのアメリカ人野球選手は、1972年にミルウォーキー・ブルワーズと契約、1977年にメジャーデビューを果たしました。メジャーリーグでは、フィリーズ、ブルージェイズ、パイレーツとチームを渡り歩き、1979年には12本塁打を記録するなど、一定の活躍を見せます。しかし、彼の名を日本で広く知らしめることとなるのは、日本プロ野球での活躍でした。

1984年、シーズン途中で近鉄バファローズに入団。既にチームにはドン・マネーという大物メジャーリーガーがいましたが、マネーの退団という事態を受け、デービスはチームの救世主として迎え入れられました。78試合に出場し、18本塁打を放つ活躍で4番打者として定着すると、陽気な性格でチームメイトにもすぐに馴染み、ベテラン選手からの信頼も厚い存在となりました。

彼の真価が問われたのは翌1985年。打率.343、40本塁打、109打点を記録する活躍を見せ、三冠王の落合博満選手に迫る活躍で、一塁手部門のベストナインにも選出されました。特に記憶に残る出来事として、8月2日から8月8日にかけて、パ・リーグタイ記録となる6試合連続本塁打を達成しています。この記録は、日本プロ野球史においても重要な記録として認識されています。

しかし、順風満帆だったデービスの日本での野球人生は、予期せぬ出来事で暗転します。1988年6月、大麻取締法違反で逮捕されたのです。自宅から大麻と吸引用パイプが見つかり、尿検査でも陽性反応が出ました。本人は「友人に傷薬として渡されたもので、大麻とは知らなかった」と主張したものの、球団は解雇を決定。検察は起訴猶予処分としたものの、デービスの近鉄バファローズでの選手生活は幕を閉じました。

デービスのキャリアにおいてもう一つ、特筆すべき出来事があります。1986年の西武ライオンズ戦で、東尾修投手から死球を受けたことに激怒し、マウンドに突進して東尾選手を殴打。大乱闘に発展し、デービスは退場処分、さらにリーグから10日間の出場停止処分と制裁金10万円の処分を受けました。この事件は、彼の激しい気性と、勝利への強い執念を象徴する出来事と言えます。

近鉄バファローズでのデービスは、その圧倒的な打撃力だけでなく、豪快なプレー、明るい性格で多くのファンを魅了しました。しかし、大麻所持による逮捕という事件は、彼の輝かしいキャリアに暗い影を落としました。彼の野球人生は、成功と挫折、そして数々のドラマが凝縮された、まさに波乱万丈と言えるものでした。彼の記録、そして数々のエピソードは、日本プロ野球史に刻まれた重要な一ページとして、これからも語り継がれていくでしょう。

詳細情報

年度別打撃成績: (ここでは詳細な成績表は割愛します)
タイトル:
最多勝利打点：1回 (1985年)
表彰:
ベストナイン：1回 (1985年)
NPB初記録:
初出場、初打席・初安打、初先発出場、初打点、初本塁打など。(ここでは詳細を割愛します)
NPBその他の記録:
100本塁打、6試合連続本塁打、1試合9打点、オールスターゲーム出場1回など。(ここでは詳細を割愛します)
背番号: 26、35、28、15

関連項目

メジャーリーグベースボールの選手一覧
北米・欧州出身の日本プロ野球外国人選手一覧
* 大阪近鉄バファローズの選手一覧

もう一度検索