リチャード・ラウンドトゥリー

リチャード・ラウンドトゥリー（Richard Roundtree、1942年7月9日 - 2023年10月24日）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューロシェル出身の俳優です。アフリカ系アメリカ人であり、その存在感と演技力で多くのファンを魅了しました。ラウンドトリー、ラウンドツリーと表記されることもあります。

略歴

南イリノイ大学を中退後、ファッション誌「エボニー」のモデルとして活躍しました。その後、舞台俳優としてのキャリアをスタートさせ、フィラデルフィアでの公演中にゴードン・パークス監督に見出されます。これがきっかけとなり、1971年の映画『黒いジャガー』で映画デビューを果たしました。この作品で、ラウンドトゥリーは黒人私立探偵ジョン・シャフト役を演じ、一躍スターダムにのし上がりました。

『黒いジャガー』は、ブラックスプロイテーション映画の代表作の一つとして知られており、ラウンドトゥリーは同シリーズの3作品で主演を務めました。また、テレビ映画版にも主演しています。1970年代のブラックスプロイテーション現象を牽引する重要な人物となり、『大地震』（1975年）、『オフサイド7』（1979年）などの大作にも主要な役で出演しました。

1977年には、アフリカ人奴隷クンタ・キンテの波乱の人生を描いたテレビミニシリーズ『ルーツ』にも出演。O・J・シンプソン、マッジ・シンクレア、タルマス・ラスラーラ、ルイス・ゴセット・ジュニア、スキャットマン・クローザース、モーゼス・ガンなど、多くのアフリカ系俳優と共演しました。

1980年代に入ると、ラウンドトゥリーのキャリアは一時的に低迷期を迎えます。『マイアミ・コップ』（1988年）や『怒りの戦士/スーパー・コマンダー』（1988年）といった低予算のイタリア映画に主演したり、『マニアック・コップ』（1988年）などの低予算映画にも出演しましたが、往年の輝きを取り戻すには至りませんでした。

しかし、その後はハリウッドのメジャー作品で脇役として出演するようになり、その存在感と実績で再び注目を集めました。2000年には、サミュエル・L・ジャクソン主演の『シャフト』で、主人公シャフトの伯父役を演じ、往年のファンを喜ばせました。また、『ビバリーヒルズ高校白書』などのテレビシリーズにもゲスト出演するなど、地道な活動を継続しました。

ラウンドトゥリーは、フレッド・ウィリアムスンらとは異なり、自我を抑え、世渡り上手な一面も持ち合わせていました。2023年10月24日、膵臓癌との闘病の末に81歳で亡くなりました。

西部劇での活動状況

同時期に活躍した黒人スター、ジム・ブラウンは『リオ・コンチョス』（1964年）や『100挺のライフル』（1967年）、『ワイルドトレイル』（1975年）など、数多くの西部劇で実績を残しました。フレッド・ウィリアムスンも低予算の西部劇に数本主演しています。

一方、ラウンドトゥリーは1970年代にスペインで撮影された英国映画『片目のチャーリー』（1971年）に主演した程度で、西部劇での目立った活躍はありませんでした。1990年代になってから、テレビ映画『新・ボナンザ/カートライト一家の絆』（1995年）に脇役として出演していますが、ジム・ブラウンやフレッド・ウィリアムスンほどの西部劇での知名度はありません。

主な出演作品

映画
黒いジャガー (1971)
大地震 (1974)
オフサイド7 (1979)
シャフト (2000)

テレビシリーズ
ルーツ (1977)
ビバリーヒルズ高校白書

参照

リチャード・ラウンドトゥリー - IMDb（英語）

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