リチャード・ラムリー (初代スカーバラ伯)

初代スカーバラ伯爵リチャード・ラムリーの生涯

リチャード・ラムリー（Richard Lumley, 1st Earl of Scarbrough, 1650年 - 1721年12月17日）は、イギリスの歴史における重要な貴族および軍人として知られています。彼はジョン・ラムリーの長男であり、彼自身も軍人としてのキャリアを歩みました。また、彼には弟のヘンリー・ラムリーがいます。

初期の経歴と高貴な継承

リチャードは、父の急死後、1663年に祖父の死去に伴いアイルランド貴族のラムリー子爵位を継承しました。カトリックとして育てられた彼は、1685年にプロテスタントに改宗。その後、上院議員の地位を持ちました。

軍人としての活躍

彼の軍歴は1679年に始まり、イングランドの王チャールズ2世の弟、ジェームズ公（後のジェームズ2世）のスコットランド遠征に同行します。また、翌年にはモロッコのタンジールへの遠征にも参加し、この経験をもとに名声を高めました。1681年にはチャールズ2世からイングランド貴族としてのラムリー男爵の称号を得、1684年には財務官に任命されています。

1685年、チャールズ2世の死去によりジェームズ2世が即位すると、ラムリーはチャールズの庶子であるモンマス公爵の反乱を鎮圧する任務に就き、モンマスを捕らえる功績を上げます。この功績により、彼は王太后キャサリン付きの騎兵第9連隊の指揮官となります。しかし、ジェームズ2世のカトリック寛容政策には従わず、1687年には解任されました。

名誉革命と爵位の昇華

1688年6月、ラムリーはオランダ総督ウィレム3世に招聘状を送付し、同年12月にはニューカッスル・アポン・タイムを占拠。次なる年にはウィレム3世とメアリー2世が即位し、名誉革命が成功したことで、彼もまた枢密院議員や近衛騎兵の指揮官として昇進し、1690年にはスカーバラ伯爵に叙爵されます。

戦争とその後の生活

大同盟戦争とウィリアマイト戦争でウィリアム3世のもとで活躍し、ボイン川の戦いに参加。その後、1697年のレイスウェイク条約成立を受けて引退し、1699年には近衛騎兵第1中隊隊長も辞職しました。1716年にはランカスター公領大臣に任命されましたが、1717年には辞任。その後はダラムのラムリー城を拡張することに専念しました。

最期と子孫

リチャード・ラムリーは1721年に世を去りました。彼の長男ヘンリーは早世していたため、爵位は次男リチャードが継承しました。彼はヘンリー・ジョーンズの娘フランシスと結婚し、6人の子供をもうけました。子供たちの中には、ウィリアム、トマス、メアリー（ハリファックス伯ジョージ・モンタギューと結婚）、アンなどが含まれます。このように、ラムリー家はイギリスの貴族社会において重要な役割を果たしました。

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