リッキー・トニャッツィ

リッキー・トニャッツィ:イタリア映画界の巨匠



リッキー・トニャッツィ(1955年5月1日生まれ)は、イタリアを代表する俳優映画監督である。著名な映画俳優・監督であったウーゴ・トニャッツィを父に持ち、俳優ジャンマルコ・トニャッツィ、映画監督マリア・ソーレ・トニャッツィとは異母兄弟の関係にある。

華麗なるキャリア:俳優から監督へ



1963年のデビュー以来、50本以上の映画やテレビ作品に出演してきたトニャッツィは、俳優として確固たる地位を築いた後、監督業にも進出。その才能は瞬く間に開花した。1991年には監督作品『Ultrà』が第41回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞。さらに、1993年の『La Scorta』は第46回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出されるなど、国際的な評価を獲得した。1996年には『Vite strozzate』で第46回ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞を受賞するなど、数々の賞に輝いた。

監督としてのトニャッツィは、多様なテーマと表現方法で知られている。社会問題を鋭くえぐり出す作品から、人間の感情を繊細に描く作品まで、彼の作品は常に観客を魅了してきた。2016年には、イングランドのロックバンド、ニュー・オーダーの「Tutti Frutti」のミュージックビデオに出演するなど、その活動は映画界にとどまらない。

多面的な人物像:宗教観と無神論



トニャッツィは公言する無神論者であるが、同時に使徒トマス、教皇ヨハネ23世、教皇フランシスコなど、宗教的な人物への敬意を表明している。この一見相反する態度は、彼の複雑で多面的な人物像を象徴していると言えるだろう。彼の作品世界に投影された宗教観や倫理観への考察は、作品理解を深める上で欠かせない要素である。

主要フィルモグラフィ:監督・出演作品



監督作品



彼の監督作品は、国際的な賞を受賞したものから、イタリア国内で高い評価を得ているものまで多岐にわたる。代表的な作品としては、以下のものがあげられる。

『Piccoli equivoci』(1989) / 日本語題:未定
『Ultrà』(1991) / 日本語題:未定
『La scorta』(1993) / 日本語題:未定
『Vite strozzate』(1996) / 日本語題:未定
『I giudici - Excellent Cadavers』(1999) / 日本語題:未定
『Canone inverso - Making Love』(2000) / 日本語題:未定
『Il papa buono』(2003) / 日本語題:善き教皇 ヨハネ23世
『Il padre e lo straniero』(2010) / 日本語題:未定
『Tutta colpa della musica』(2011) / 日本語題:何もかも音楽のせい

出演作品



俳優としてのトニャッツィは、数々の作品に出演し、その演技力は高く評価されている。代表的な出演作品としては、以下のものがあげられる。

『I mostri』(1963) / 日本語題:怪物たち
『La tragedia di un uomo ridicolo』(1981) / 日本語題:滑稽な男の悲劇
『Il petomane』(1983) / 日本語題:ペトマニアック
『Qualcosa di biondo』(1984) / 日本語題:オーロラ
『Colpo di fulmine』(1985) / 日本語題:一目惚れ
『I pompieri』(1985) / 日本語題:消防士
『Fatto su misura』(1985) / 日本語題:未定
『La famiglia』(1987) / 日本語題:家族
『Caruso Pascoski (di padre polacco)』(1988) / 日本語題:カルーゾ・パスコスキ(ポーランド人の父)
『Tempo di uccidere』(1989) / 日本語題:エネミー・ウォー
『La primavera di Michelangelo』(1990) / 日本語題:ミケランジェロの春
『Una storia semplice』(1991) / 日本語題:シンプルな物語
『Maniaci sentimentali』(1994) / 日本語題:センチメンタル・マニアック
『Un eroe borghese』(1995) / 日本語題:普通の英雄
『Il cielo in una stanza』(1999) / 日本語題:部屋の中の空
『Tommaso』(2001) / 日本語題:トマソ
『Il più bel giorno della mia vita』(2002) / 日本語題:私の人生で一番美しい日
『Il papa buono』(2003) / 日本語題:善き教皇 ヨハネ23世
『In questo mondo di ladri』(2004) / 日本語題:泥棒の世界で
『Nine』(2009) / 日本語題:ナイン
『Ci vediamo domani』(2013) / 日本語題:明日また会おう

より詳細なフィルモグラフィは、イタリア語版を参照のこと。

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