リック・ポーセロ

フレドリック・ポーセロ：MLBで輝いた右腕投手の軌跡

フレドリック・アルフレッド・ポーセロ3世（Fredrick Alfred Porcello III, 1988年12月27日 - ）は、アメリカ合衆国ニュージャージー州モリスタウン出身の元プロ野球選手。右投右打の投手として、MLBの舞台で活躍しました。愛称は、スペイン語を話すチームメイトが名付けた「ベインティードス（Veintidos）」です。

プロ入り前

高校時代からその才能を発揮し、最終学年時には63イニングで9勝0敗、防御率1.44、102奪三振という圧倒的な成績を残しました。学業にも励み、GPA3.94で卒業。National Honor SocietyとSpanish National Honor Societyの会員でもありました。2007年のMLBドラフトでは上位指名が予想されましたが、代理人がスコット・ボラスであったため、多くの球団が指名を見送りました。

デトロイト・タイガース時代

2007年のMLBドラフトで、1巡目（全体27位）でデトロイト・タイガースから指名を受け、4年725万ドルという高額契約でプロ入り。A+級レイクランド・フライングタイガースでプロデビューし、2008年には24試合に先発登板して8勝6敗、防御率2.66という好成績を記録しました。7月19日のセントルーシー・メッツ戦では、3投手による継投で7イニングのノーヒッターを達成。タイガース傘下の最優秀マイナー選手に選出され、ベースボール・アメリカ誌の有望株ランキングでも高い評価を得ました。

2009年には、ジェレミー・ボンダーマンの復帰の遅れなどから、メジャー開幕を迎えることになりました。4月9日のトロント・ブルージェイズ戦でメジャーデビューを果たし、その後6年連続で二桁勝利を達成。2014年には自己最多の15勝を挙げ、3完封でリーグ1位となりました。

ボストン・レッドソックス時代

2014年12月11日にトレードでボストン・レッドソックスへ移籍。2015年は不調に苦しみましたが、2016年には見事な復活を遂げました。33試合に先発登板し、防御率3.15、22勝4敗、勝率.846という素晴らしい成績で、アメリカンリーグ最多勝を獲得。サイ・ヤング賞とカムバック賞を受賞しました。2018年にはワールドシリーズ優勝も経験しました。

2019年は不振に苦しみましたが、14勝を記録。オフにFAとなりました。

ニューヨーク・メッツ時代

2019年12月16日にニューヨーク・メッツと契約。2020年オフにFAとなり、2022年12月5日に現役引退を表明しました。

プレースタイル

ポーセロは、最速94.9mph（約153km/h）のフォーシームとツーシームを軸に、カーブ、チェンジアップ、スライダーを織り交ぜて打者を打ち取るスタイルでした。2016年にはK/BB5.91でリーグ1位を記録するなど、制球力も持ち味でした。

タイトル・表彰

最多勝利：1回（2016年）
サイ・ヤング賞：1回（2016年）
カムバック賞：1回（2016年）
ルーキー・オブ・ザ・マンス：1回（2009年5月）
* ピッチャー・オブ・ザ・マンス：1回（2016年9月）

フレドリック・ポーセロは、その実直な人柄と、常に向上心を持って努力を続ける姿勢で、多くのファンに愛された名投手でした。

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