リック・リード (投手)

リチャード・アレン・リード：苦難を乗り越え開花した技巧派右腕

リチャード・アレン・リード（Richard Allen Reed）は、1964年8月16日にウェストバージニア州ハンティントンで生まれた元プロ野球選手。右投右打の投手として、メジャーリーグで長く活躍しました。

プロ入りと苦悩の時代

1986年のMLBドラフトでピッツバーグ・パイレーツから26巡目（全体644位）で指名され、プロとしてのキャリアをスタート。1988年にメジャーデビューを果たしますが、当初はなかなか定着できず、1995年までの8年間でわずか10勝にとどまりました。

特に、1994年から1995年にかけてのMLB史上最長のストライキは、彼のキャリアに大きな影響を与えました。家族を支えるために代替選手としてスプリングトレーニングに参加したことが、選手会からの反発を招き、その後の加入を認められなくなるという苦難を経験しました。この決断の背景には、病に倒れた母親の治療費を稼ぐ必要があったという事情がありました。

メッツでの才能開花

1996年はニューヨーク・メッツ傘下のAAA級ノーフォーク・タイズで過ごしますが、1997年にメッツでメジャーに復帰すると、状況は一変します。この年、13勝、防御率2.89という素晴らしい成績を収め、見事に復活をアピールしました。翌1998年には、自己最多となる16勝をマークし、以降2002年まで6年連続で二桁勝利を達成。メッツのエースとしてチームを支えました。

投球スタイル

リードの最大の武器は、卓越した制球力でした。球威こそ目立つものではありませんでしたが、精密なコントロールで打者を打ち取るスタイルを確立。1998年には、212.1回を投げてわずか29四球という驚異的な数字を残し、通算与四球率は1.66という素晴らしい記録を誇ります。

主な記録と背番号

MLBオールスターゲーム選出：2回（1998年、2001年）

背番号：
34（1988年 - 1991年）
38（1992年 - 1993年途中）
39（1993年途中 - 1994年）
48（1995年）
35（1997年 - 2001年途中）
36（2001年途中 - 同年終了）
* 31（2002年 - 2003年）

苦難を乗り越え、メジャーリーグで長く活躍したリチャード・アレン・リード。彼の粘り強い投球は、多くのファンに感動を与えました。

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