リップス・インク

リップス・インク：ディスコサウンドを彩った伝説のユニット

リップス・インク（Lipps Inc.）は、1980年代初頭に一世を風靡したアメリカの音楽ユニットです。ユニット名は、英語の「口パク」を意味する「リップシンク」に由来しています。そのサウンドは、当時のディスコブームを象徴するような、ダンサブルでキャッチーなものでした。

結成とデビュー

ミネソタ州ミネアポリスで、マルチ・インストゥルメンタル・プレイヤーのスティーヴン・グリーンバーグが、黒人女性歌手でサックス奏者のシンシア・ジョンソンと共にユニットを結成しました。セッション・ギタリストのデヴィッド・リヴキンも加わり、1979年にアルバム『ファンキータウン (Mouth to Mouth)』でデビューを果たしました。

大ヒット「ファンキータウン」

デビューアルバムに収録されていた「ファンキータウン」は、後にシングルカットされ、全米ダンスシングルチャートで急上昇しました。1980年5月31日には、全米シングルチャートで1位を獲得する大ヒットとなりました。この曲は、そのキャッチーなメロディーとダンサブルなリズムで、世界中のディスコフロアを熱狂させました。

「ファンキータウン」は、全英シングルチャートでも2位を記録するなど、世界的なヒットとなり、ドイツ、オランダ、スイス、ノルウェー、ベルギーなど、各国のチャートでも1位を獲得しました。また、1986年にはオーストラリアのバンド、スード・エコーによってカバーされ、全米シングルチャートで6位を記録するリバイバルヒットにもなりました。

日本では、1981年に資生堂・インウイのテレビCMで使用され、2003年にはホンダ・ザッツのテレビCMにも使用されました。2004年には、アメリカのアニメ映画『シュレック2』の挿入歌にも起用され、同映画のサウンドトラックにも収録されています。

その後の活動

「ファンキータウン」の大ヒット後、リップス・インクはさらに3枚のアルバムを制作しましたが、1983年にはシンガーのシンシアがグループを脱退し、活動を休止しました。

中心人物であったグリーンバーグは、その後、ミネアポリスでウェブデザインを手掛けるDesignSteinというオフィスを設立しました。また、ブロードウェイで上演されるミュージカルに楽曲を提供するなど、音楽活動も継続しています。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

『ファンキータウン』 - Mouth to Mouth (1979年)
『パッカー・アップ』 - Pucker Up (1980年)
『デザイナー・ミュージック』 - Designer Music (1981年)
『4 (フォー)』 - 4 (1983年)

コンピレーション・アルバム

Funkyworld: The Best of Lipps, Inc. (1992年)
Funkytown (2003年)

まとめ

リップス・インクは、「ファンキータウン」という一曲で、1980年代の音楽シーンに大きな足跡を残しました。そのダンサブルでキャッチーなサウンドは、今もなお多くの人々に愛され続けています。彼らの音楽は、時代を超えて、私たちをあの輝かしいディスコの時代へと誘います。

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