リトアニア共産党

リトアニア共産党：歴史と変遷

リトアニア共産党（Lietuvos komunistų partija、LKP）は、かつてリトアニアに存在した共産主義政党です。ソ連時代のリトアニアにおいて、政治の中枢を担いました。本稿では、その設立から解散、そして現在に至るまでの歴史を詳細に解説します。

設立と初期

1918年10月初め、リトアニア共産党はヴィンツァス・ミツケヴィチュス＝カプスカスらによって設立されました。しかし、その活動は順風満帆とは言えませんでした。1926年12月には、リトアニア当局によって党活動が禁止され、地下活動を余儀なくされます。1940年にリトアニアがソヴィエト連邦に編入されるまで、その活動は非合法なものとして続けられました。

ソ連への編入と党の再編

1940年、リトアニア共産党は大きな転換期を迎えます。ソヴィエト連邦共産党と合併することになり、リトアニア共産党はリトアニア地域の下位組織として再編されました。リトアニア・ソビエト社会主義共和国（リトアニアSSR）が建国されると、リトアニア共産党第一書記にはアンタナス・スニエチクスが就任しました。この時代、共産党第一書記は事実上の国のトップとして、絶大な権力を振るいました。また、党の第二書記には常にモスクワから指名されたロシア人が就任するという慣例がありました。

独立運動と党の分裂

1980年代後半、ソ連のペレストロイカ政策の影響を受け、リトアニアでも独立運動が活発化します。1989年、リトアニアでソヴィエトに対する抗議運動、いわゆる「歌う革命」が起こる中、リトアニア共産党はついにソヴィエト共産党からの独立を宣言します。この決断は、リトアニアの政治に大きな影響を与えました。

独立回復と党の解散、そしてその後

1990年、リトアニアはソ連からの独立回復を宣言し、リトアニア共産党もリトアニア民主労働党 (LDDP) へと改組されました。その後、リトアニア民主労働党はリトアニア社会民主党 (LSDP) と合併し、その役割を終えました。しかし、リトアニア共産党の中でリトアニア民主労働党に与しなかった者たちは、ミーコラス・ブロケヴィチュスの下、1990年から91年までリトアニア共産党に残留しました。しかし、1991年、共産党の活動はリトアニア当局により再び禁止されることとなりました。

現在、活動は非合法とされていますが、ゲンナジー・ジュガーノフの率いる共産党連合＝ソビエト連邦共産党に加盟し、細々と活動を続けています。

主要人物

リトアニア共産党第一書記

アンタナス・スニエチクス（1940年7月21日 – 1974年1月22日）
ペトラス・グリシュケヴィチュス（1974年2月18日 – 1987年11月14日）
リンガウダス・ソンガイラ（1987年12月1日 – 1988年10月19日）
アルギルダス・ブラザウスカス（1988年10月19日 – 1990年12月）
ミーコラス・ブロケヴィチュス（1989年12月 – 1991年8月）

リトアニア共産党第二書記

Icikas Meskupas-Adomas（1941年2月9日 – 1942年3月13日）
Vladas Niunka（1944年4月 – 1944年12月30日）
Alexander Isachenko（1944年12月30日 – 1946年11月24日）
Alexander Trofimov（1946年11月24日 – 1952年9月22日）
Vasily Aronov（1952年9月25日 – 1953年6月11日）
モティエユス・シュマウスカス（1954年2月 – 1956年1月24日）
Boris Sharkov（1956年1月28日 – 1961年9月27日）
Boris Popov（1961年9月30日 – 1967年4月13日）
Valery Khazarov（1967年4月13日 – 1978年12月10日）
Nikolay Dubenko（1978年12月11日 – 1986年9月17日）
Nikolay Mitkin（1988年9月17日 – 1988年12月9日）
Vladimir Beryozov（1988年12月9日 – 1990年）

関連項目

共産党
リトアニア・ソビエト社会主義共和国 (1918年-1919年)
リトアニア・ソビエト社会主義共和国
リトアニアの歴史
リトアニアの政党一覧

リトアニア共産党は、リトアニアの歴史において重要な役割を果たした政党の一つです。その興亡の歴史は、リトアニアの政治、社会に大きな影響を与えました。

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