リトアニア＝白ロシア・ソビエト社会主義共和国

リトアニア＝白ロシア・ソビエト社会主義共和国、通称リトベル共和国は、1919年の約5ヶ月間、現在のベラルーシとリトアニア東部に存在したソビエト共和国です。リトアニア・ソビエト社会主義共和国と白ロシア・ソビエト社会主義共和国が合併して誕生しましたが、短命に終わりました。

背景

第一次世界大戦終結後、ソビエト・ロシアはプロレタリア革命の世界的な波及を目指し、東欧地域への進出を開始しました。バルト地域は西欧への架け橋として重要視され、1918年12月にはリトアニアに到達。リトアニア・ソビエト社会主義共和国は1918年12月16日に、白ロシア・ソビエト社会主義共和国は1919年1月1日にそれぞれ宣言されました。しかし、これらの共和国は支持基盤が弱く、ポーランド・ソビエト戦争などの軍事的敗北を受け、ソビエトは両共和国の統合を決定。1919年2月27日、リトアニア＝白ロシア・ソビエト社会主義共和国が成立し、共産党もリトアニア＝白ロシア共産党へと改編されました。

短命な国家

リトベル共和国の誕生は、リトアニアでも白ロシアでも歓迎されませんでした。特に白ロシア人にとっては、リトアニアによる併合と受け止められ、民族主義者からの反発を招きました。しかし、モスクワは統合を強行し、政府閣僚には白ロシア人は含まれませんでした。財政はロシア・ソビエトからの融資に依存しており、歴史家からは「人工的」な国家と評されています。首都は当初ヴィリニュスに置かれましたが、ポーランド軍の攻撃によりミンスクへ遷都。しかし、ソビエト・ロシアの指導者レーニンは、ポーランドとの和平交渉を望み、1919年7月17日にリトベル共和国の解体を宣言。ポーランド軍のミンスク占領により、共和国政府はスモレンスクへ疎開し、8月25日には解散しました。

その後

1919年9月、ソビエトはリトアニア共和国の独立を認め、平和条約締結に向けて動き出しました。1920年7月12日に条約が締結され、ポーランド・ソビエト戦争の戦況がソビエト優勢に転じた1920年7月31日には、ミンスクを奪回したボリシェヴィキによって白ロシア・ソビエト社会主義共和国が再建されました。しかし、ワルシャワの戦いでの敗北により、ソビエトはリトアニアへの影響力を失いました。ポーランドとロシアの国境はリガ条約によって画定され、白ロシアの領土の一部はポーランドに帰属することになりました。白ロシア・ソビエト社会主義共和国は、その後1922年にソビエト連邦の構成共和国となりました。

閣僚

1919年2月27日の人民委員会議（内閣）の構成は以下の通りです。

議長兼外務人民委員：Vincas Mickevičius-Kapsukas
内務人民委員：Zigmas Aleksa-Angarietis
食料人民委員：Moses Kalmanovich
労務人民委員：Semyon Dimanstein
金融人民委員：Yitzhak Weinstein
国土交通人民委員：Aleksandras Jakševičius
農業人民委員：Vaclovas Bielskis
文部人民委員：Julian Leszczyński
逓信人民委員：Carl Rozental (К.Ф. Розенталь)
法務人民委員：Mieczysław Kozłowski(Мечислав Козловский)
軍務人民委員：Józef Unszlicht
厚生人民委員：Petras Avižonis
人民経済人民委員：Vladimir Ginzburg
社会政策人民委員：Josif Oldak

参考文献

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関連項目

リトアニアの歴史
ベラルーシ
リトアニア・ソビエト社会主義共和国
* 白ロシア・ソビエト社会主義共和国

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