白ロシア・ソビエト社会主義共和国

白ロシア・ソビエト社会主義共和国

白ロシア・ソビエト社会主義共和国（ベラルーシ語: Беларуская Савецкая Сацыялістычная Рэспубліка、ロシア語: Белорусская Советская Социалистическая Республика）、略称は白ロシアSSRは、ソビエト連邦を構成していた共和国の一つです。首都はミンスクでした。1922年のソ連成立時に、ロシアSFSR、ウクライナSSR、ザカフカースSSRなどと共に15の構成共和国の一つとなりました。ソ連崩壊に伴い1991年に消滅し、現在のベラルーシへと移行しました。また、国連の原加盟国でもあります。

この地域は歴史的に「白ロシア」と呼ばれていましたが、ロシア語の「ベロルシヤ」が転写されたもので、現代ではベラルーシ語の「ベラルーシ」という表記が一般的です。「白ロシア」、「ベロルシア」、「ベラルーシ」は全て同じ意味であり、政治的な背景や言語の違いから異なる表記が使われています。

歴史

独立とソ連への参加

第一次世界大戦以前、白ロシアはロシア帝国の一部でした。1918年3月25日に独立を宣言し、ベラルーシ人民共和国が成立しますが、短命に終わります。1919年には、ボリシェヴィキの支援により白ロシア社会主義ソビエト共和国が成立し、その後リトアニアと合併してリトアニア＝白ロシア・ソビエト社会主義共和国となります。しかし、1921年のポーランド・ソビエト戦争の結果、白ロシアの国土はポーランドと分割されることになります。1922年、白ロシアはロシアやウクライナと共にソビエト社会主義共和国連邦を結成しました。

第二次世界大戦

1939年、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻すると、ソ連は独ソ不可侵条約に基づきポーランド東部に進軍し、白ロシアの地を白ロシア共和国に組み込みました。1941年、独ソ戦が始まると、白ロシアはドイツ軍に占領され、オストラント国家弁務官統治区域の一部となりましたが、1944年のバグラチオン作戦でソ連軍が奪回し、再び社会主義共和国体制が復活しました。

戦後の発展

1945年、ヤルタ会談でソ連とポーランドの国境が確定し、現在のベラルーシの領域がほぼ確定しました。同年、国際連合が設立されると、白ロシアはウクライナと共にソ連の構成国として原加盟国となり、国連総会に議席を持ちました。内政面では、戦災からの復興が進められ、東方からのロシア人などの移住が進み、ロシアの影響が強まりました。しかし、民族感情への配慮も一定程度行われました。

独立へ

1986年のチェルノブイリ原発事故は、白ロシアで民族運動を高めるきっかけとなりました。1990年に独立を宣言し、1991年のソ連8月クーデターの失敗後、正式にソ連からの独立を達成しました。その後、国名を「ベラルーシ」と改め、ロシア、ウクライナと共に独立国家共同体（CIS）を設立しました。

国勢調査（1959年）

白ロシア人 - 81%
ロシア人 - 0.2%
ポーランド人 - 16.7%
ユダヤ人 - 1.9%
ウクライナ人 - 1.7%
その他

主要な都市

ミンスク
ブレスト（ブレスト・リトフスク）
ゴメリ（ホメリ）
グロドノ（フロドナ）
モギリョフ（マヒリョウ）
ヴィテプスク（ヴィーツェプスク）

白ロシア・ソビエト社会主義共和国は、その歴史の中で様々な変遷を経て、現在のベラルーシへとつながる重要な一歩を刻みました。

参考文献

* 塩川伸明『国家の解体——ペレストロイカとソ連の最期（全3巻）』東京大学出版会、2021年。ISBN 9784130362825。

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