リトル・ショップ・オブ・ホラーズ (1986年の映画)

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ (Little Shop of Horrors)

1986年に制作されたアメリカ映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は、同名のミュージカルの映画化作品であり、オフブロードウェイでの大ヒットを受けてフランク・オズ監督によって映像化されました。元々は1960年にロジャー・コーマンによって制作された同名の映画が存在しますが、この作品はそこからのリメイクではなく、ミュージカル版を基にした新たな作品といえます。

ストーリー

物語は、シーモアという名の若者から始まります。彼はみなしごとして育ち、花屋の店長ムシュニクによって助けられ、同僚のオードリーとともに働いています。オードリーは暴力的な歯医者と付き合っており、そのつらい状況から逃れられない日々を送っています。そんなある日、シーモアは中華街で見つけた奇妙な植物の鉢を購入し、店先に飾ります。これが大いに客の関心を引くことになりますが、実はその植物は彼の血を吸う宇宙植物だったのです。

ここから物語は一気に進展し、シーモアは植物を育てながら、お店の売上を上げていきます。しかし、植物の成長と共に彼の人生は次第に狂っていきます。この植物がもたらす危険に気づくことなく、シーモアは魅惑と恐怖の両方を内包した運命に引き込まれていくのです。

キャスト

本作では、シーモア役をリック・モラニスが演じ、オードリー役にはエレン・グリーンが起用されています。ムシュニク店長はヴィンセント・ガーディニア、暴力的な歯医者オリン・スクリヴェロにはスティーヴ・マーティンが出演。その他にも、ビル・マーレイやジョン・キャンディといった豪華なキャストが参加しています。

製作経緯

1982年にオフブロードウェイでミュージカル版が大ヒットした結果、映画化に至りました。このときの音楽はアラン・メンケンとハワード・アッシュマンのコンビによるもので、後にディズニーで大成功を収めることにつながる重要な作品です。特に、舞台版の成功が大きな影響を与えています。

エピソード

映画は本来、悲劇的な結末を迎える予定でしたが、公開直前に行われたスニークレビューでは観客から不満が続出。このため、ラスト10分が再撮影され、よりハAPPYな結末となりました。その後の舞台では、映画版のハッピーエンドが多く上演されています。また、コーラス隊はストーリーの進行を助ける役割を担っており、オーディションを通じて選ばれた3名は、すでに親しい友人同士でした。

このように、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は一見ユーモラスで楽しい作品と思わせる一方で、背後に潜むダークなテーマや人間関係の緊張感が巧みに描かれています。音楽とストーリーテリングの融合によって、観客を魅了し続けているのです。

もう一度検索