リバイバル (1883年)

1883年リバイバル：日本のプロテスタント教会における信仰覚醒

1883年（明治16年）から1884年（明治17年）にかけて、日本のプロテスタント教会で起こったリバイバル（信仰覚醒）について詳述します。

歴史的背景

このリバイバルの発端は、1883年、横浜海岸教会での出来事でした。宣教師J・H・バラが、自身が見た夢、すなわち危機に瀕している羊たちをよそに眠っている牧者の夢を、初週祈祷会で告白しました。この夢に触発されたバラは、伝道者としての責任を痛感し、自身の悔い改めを表明しました。この告白をきっかけに、祈祷会に参加していた数名の船員信徒たちが信仰覚醒を経験しました。彼らの信仰の火は、瞬く間に横浜の各教会やミッションスクールへと広がり、リバイバル運動へと発展しました。

リバイバルの勢いは横浜にとどまらず、東京の諸教会、青山学院、そして地方へと伝播しました。このリバイバル運動は、当時発行されていた「六合雑誌」にも取り上げられ、その広がりが注目されました。

1883年5月8日から12日にかけて、東京築地の新栄教会で開催された第三回全国基督教信徒大親睦会は、リバイバル運動をさらに加速させる契機となりました。全国から集まったプロテスタント教会の指導者たちは、この集会を通じてリバイバルの重要性を認識し、関東地方にその炎を広げました。翌1884年には、リバイバルは京都の同志社にも到達しました。同志社では、1月から始まった初週祈祷会が連日開催され、学校全体が霊的に覚醒し、3月16日にはピークを迎えました。この日、同志社では約200名が一挙に洗礼を受けるという驚くべき出来事が起こりました。

さらに、このリバイバルは押川方義らによって仙台をはじめとする日本各地へと伝えられ、日本のプロテスタント教会は飛躍的な成長を遂げました。

リバイバルの影響

このリバイバルは、日本のキリスト教界に大きな影響を与えました。最も重要な影響の一つとして、「リバイバル」という言葉が日本のキリスト教用語として定着したことが挙げられます。この言葉は、信仰の刷新と霊的な覚醒を意味する言葉として、今日に至るまで広く用いられています。

また、1886年（明治19年）に起きた一致教会と組合教会の合同運動も、このリバイバルが大きな原動力となりました。リバイバルによって信仰を新たにした信徒たちは、教派の垣根を越えて協力し、キリスト教の発展のために尽力しました。この合同運動は、日本のプロテスタント教会の結束を強め、さらなる成長を促しました。

まとめ

1883年のリバイバルは、日本のプロテスタント教会にとって、信仰の刷新と成長を遂げる上で非常に重要な出来事でした。横浜から始まった小さな信仰の火は、瞬く間に全国へと広がり、多くの人々を信仰に導きました。このリバイバルは、日本のキリスト教史において、特筆すべき出来事として記録されています。

参考文献

中村敏『日本のキリスト教宣教史』いのちのことば社、2009年
小野静雄『日本プロテスタント教会史』聖恵授産所出版部、1986年

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