リビア国民軍

リビア国民軍（LNA）についての詳細

リビア国民軍（Libyan National Army, 略称LNA）は、リビア国内に存在する反政府軍の一つであり、主に暫定政府に対抗する目的で設立されました。LNAは実質的にはリビア陸軍および空軍の組織であり、特にハリファ・ハフタルによって指導されています。彼は2011年のリビア内戦に参加し、その後2014年の再度の内戦時に国民議会に反旗を翻し、LNAを創設しました。

結成の背景

LNAの基盤は2011年のリビア内戦に遡ります。この内戦は、国民の民主化要求と独裁政権への反発から生まれました。内戦が進む中、陸軍の将校であったハフタルは、自身の部隊を結成し、リビア東部のベンガジを拠点として活動を開始しました。彼は国民合意政府（GNA）とイスラム原理主義者による民兵組織に対抗する兵力を集め、エジプト、UAE、サウジアラビア、ロシア、フランスなどから支援を受けて勢力を拡大していきました。2019年にはリビア南部の重要な油田地帯を掌握するという成果を上げました。

国民合意政府との対立

2019年4月5日、ハフタルはトリポリへの進攻を宣言しました。この時、国民合意政府は国際連合からの支持を受けていましたが、LNAはその警告を無視し熾烈な戦闘を繰り広げます。4月12日までにLNAはトリポリからわずか20㎞の地点まで進軍し、戦乱を避けるために約8000人の市民が避難を余儀なくされました。

同月18日、国際連合安全保障理事会による停戦決議が否決され、衝突は続きました。LNAは4月中にガリヤンを制圧しましたが、6月26日には国民合意政府軍により再奪取されました。この時、LNAは背後にトルコの支援があると主張しました。

国際情勢と軍事支援

2020年1月には、LNAを支援するアラブ首長国連邦の無人攻撃機がトリポリの陸軍士官学校を空爆する事件が発生し、26人の士官候補生が命を落としました。無人機はリビアのアルカディムにあるUAE基地から運用されていました。また、アメリカアフリカ軍は、ロシアがLNAを支援するためにMiG-29やSu-35を派遣していることを指摘しました。

内戦が泥沼化する中、エジプトは2020年6月8日に停戦を提案し、ロシアもこれを支持しました。しかし、トルコが国民合意政府を支援しているために停戦は実現しませんでした。しかし、8月21日には国民合意政府との停戦が合意され、近い将来に選挙を実施する計画が発表されました。

結論

リビア国民軍は、内戦の不断の激化と国際的な支援を背景に、リビア国内での重要な軍事勢力へと成長しました。彼らの活動はリビアの政治情勢に大きな影響を与え続けています。

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