リブ・フォー・ライフ美奈子基金

特定非営利活動法人「リブ・フォー・ライフ美奈子基金」、通称「LIVE FOR LIFE」は、日本の著名な歌手であった本田美奈子.氏の深い思いから生まれました。白血病など、治療が困難とされる病と向き合う患者さんたちを支えることを目的として、彼女自身の発案により設立されたこの基金は、本田氏の逝去後も、その遺志を受け継いだ関係者や友人たちによって運営され、活動を続けています。

2005年1月、急性骨髄性白血病と診断され入院生活を送っていた本田氏は、同じ病室で闘う患者さんたちとの交流や、ファン、仕事仲間からの温かい励ましを通じて、生きる力の重要性を改めて感じていました。自身の病を克服し再びステージに立つことが、多くの難病患者にとって希望となることを願った彼女は、同年10月19日、難病患者を支援するための活動として「LIVE FOR LIFE」を立ち上げます。この名称には、本田氏が晩年に抱いた「生きるために生きる」「生きることそれ自体に意味がある」という深い哲学が込められています。

しかし、本田氏は活動開始間もない同年11月6日に惜しくもこの世を去ります。その後、「LIVE FOR LIFE」の運営は、彼女の遺族や生前親交のあった友人、関係者たちによって引き継がれました。彼らは、全国各地での追悼イベントの開催や、公式サイトでのオリジナルグッズ販売、募金受付などを通じて支援活動を展開。2006年6月1日には、骨髄移植推進財団と正式なパートナーシップを結び、骨髄バンクの普及啓発活動においても重要な役割を担うことになりました。活動は着実に広がりを見せ、2007年6月22日には東京都から特定非営利活動法人として認証を受け、さらに2010年2月1日には国税庁より認定特定非営利活動法人としての認定も受けました（認定期間は2015年1月31日まで）。

「リブ・フォー・ライフ美奈子基金」の活動の中心の一つが、毎年11月3日に日本橋三井ホールで開催される「LIVE FOR LIFE音楽彩」です。このチャリティコンサートには、本田美奈子.氏が愛し、また得意とした演歌、ポップス、ミュージカル、クラシックといった幅広いジャンルから、多くのアーティストが彼女へのリスペクトと難病患者支援への思いを胸に、無償で出演します。音楽を通じて難病に対する理解を深め、支援の輪を広げるための啓発活動が行われます。会場ロビーでは、白血病などの治療に不可欠な骨髄移植のために、骨髄ドナー登録への呼びかけも積極的に実施されています。

これまでにも、「LIVE FOR LIFE」の名の下に、様々な関連イベントが開催されてきました。本田氏の故郷である埼玉県朝霞市をはじめ、山形、宇都宮、渋谷、長野、春日井、岐阜など、全国各地で追悼コンサートや写真展、フィルムコンサートが開かれ、多くの人々が本田氏の功績を偲びつつ、基金の活動を支援しました。また、女性ミュージシャンによるロックフェスティバル「NAONのYAON」への参加を通じた募金活動など、多角的な取り組みも行われています。これらのイベントは、難病支援の重要性を広く社会に訴えかける機会となっています。

発起人には、初代代表の服部克久氏（故人）や後任の湯川れい子氏など、音楽界をはじめとする様々な分野の著名人が名を連ねています。「リブ・フォー・ライフ美奈子基金」は、一人のアーティストの深い共感と願いから始まり、多くの人々の支えによって、今もなお難病と闘う患者さんたちに希望を届け続けるための活動を展開しています。

もう一度検索