リベリア国民愛国戦線

リベリア国民愛国戦線（NPFL）とは

リベリア国民愛国戦線（National Patriotic Front of Liberia, NPFL）は、1980年代後半から1990年代にかけてリベリア内戦で活動した武装組織です。その勢力は内戦における最大規模を誇り、リベリアの政治、社会に大きな影響を与えました。

NPFL結成の背景

1980年、サミュエル・ドウ軍曹によるクーデターが発生し、リベリア初の非アメリコ・ライベリアン出身の国家元首が誕生しました。しかし、ドウ政権はクラン族優遇政策を推進したため、部族対立が激化します。1985年と1988年には政権転覆未遂事件が起こり、ドウはギオ族とマノ族を弾圧しました。こうした状況下、チャールズ・テーラーがドウ政権打倒を目指し、コートジボワールでNPFLを結成しました。構成員は、亡命中のアメリコ・ライベリアンや、ドウ政権に弾圧されたギオ族、マノ族出身者らが中心でした。

内戦の激化とNPFLの活動

1989年12月、NPFLはドウ政権に対し武装蜂起を開始。半年で国土の9割を制圧し、首都モンロビアに侵攻しました。市街地を巻き込む激戦により、1年間で1万5千人以上の死者と数百万人の難民が発生しました。1990年8月には、西アフリカ諸国経済共同体の仲介で国民統合暫定政府が発足しますが、NPFLから分離したINPFL（リベリア独立国民愛国戦線）の兵士がドウを暗殺し、政権は崩壊。その後、ドウ政権出身者を中心とするULIMO（民主統一解放運動）が蜂起し、内戦はさらに拡大しました。

和平合意とその後

1995年、国連の仲介による和平交渉が行われますが、決裂。内戦は泥沼化の一途を辿ります。最終的に停戦合意が成立し、1997年8月、NPFLは国民愛国党（National Patriotic Party）に改組。党首であるテーラーが大統領に就任しました。しかし、その後も反政府組織の活動などにより、内戦は完全には終息しませんでした。

第二次内戦では、NPFLの元構成員がテーラー政権軍の兵士として参加。内戦終結後、国民愛国党は政党として現在も活動を続けています。

国際的な支援と非難

NPFLは、リビア、ブルキナファソ、コートジボワールなどから支援を受けていました。また、指導者のアハメド・フォディ・サンコーがテーラーと同じ訓練キャンプにいたことから、シエラレオネの革命統一戦線（RUF）とは共闘関係にありました。

一方で、NPFLは天然資源の違法輸出や、6、7歳児の少年兵を戦線に投入するなど、人道的な問題行為で国際的な非難を浴びました。

関連事項

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軍閥
* テロリズム

NPFLは、リベリア内戦の歴史において重要な役割を果たした組織であり、その活動はリベリア社会に深い傷跡を残しました。紛争の長期化、人道危機、そして政治的な混乱など、NPFLがもたらした影響は多岐にわたります。

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