リペツク

リペツクは、ロシア連邦リペツク州の州都であり、ヴォロネジ川のほとりに位置する都市です。2021年の時点で人口は約49万人に達し、モスクワからは南東へ約438kmの距離にあります。

この都市の歴史は古く、13世紀の年代記にその名が初めて登場します。「リンデンの町」を意味する「リペツク」という名称は、ライプツィヒやリエパーヤといった他の都市とも語源を共有しています。1284年にはモンゴル帝国の軍勢によって破壊されるという歴史も経験しています。

18世紀初頭、ピョートル大帝の命により、鉄鉱石の鉱床に近いこの地に砲弾製造のための鋳物工場が建設され、リペツクは大きく発展を遂げ始めました。1779年にはタンボフ県の主要な産業都市となり、その後、ロシア帝国、ソビエト連邦を経て現代に至るまで、冶金、金属工業、機械工業、そして機械部品やエンジン製造の中心地として繁栄を続けてきました。現在でも、大規模な冶金コンビナートや化学コンビナートが稼働しており、リペツク技術大学をはじめとする大学群や、戦闘機の試験などを行うリペツク空軍基地も重要な拠点となっています。

また、リペツクはロシアで最も初期の温泉リゾートの一つとしても知られています。1805年に開業したこのリゾートは、ピート（泥炭）を使った泥湯で有名で、鉄分を含む重炭酸カルシウムの温泉は、様々な病気に効果があるとされています。

リペツクは、国際的な交流も盛んに行っており、以下の都市と姉妹都市関係を結んでいます。

コトブス（ドイツ）：1974年提携
鞍山（中国）：1992年提携
ファブリアーノ（イタリア）：2003年提携
ヴィーンヌィツャ（ウクライナ）：2004年提携

リペツクは、その歴史的な背景と、近代的な産業、そして温泉リゾートとしての魅力が融合した、多様な顔を持つ都市といえるでしょう。

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