タンボフ

タンボフの概要


タンボフ(ロシア語: Тaмбо́в)は、ロシアタンボフ州の州都で、モスクワから南東に約480キロメートルの地点に位置しています。2021年の時点で、人口は26万1803人となっており、近年は減少傾向にあります。タムボフはモクシャー川の支流であるツナ川とストゥデネツ川の合流点に位置し、自然環境も豊かです。

歴史的背景


「タンボフ」という名は、モルドヴィン語のモクシャ語で「湿地」を意味する語源に由来しています。この地は1636年に、ロマノフ朝の初代ツァーリ、ミハイル・ロマノフの命により要塞として設立されました。ロマン・ボボルイキンという経験豊かなヴォエヴォダの指揮のもとに建設され、迅速に完了しました。

かつてはクリミア・ハン国との押し出しの防衛のために設置され、ロシア国の拡大とともに軍事的役割が薄れていきました。その結果、タンボフはロシア帝国の南部における行政および経済の中心に成長しました。1781年にはエカチェリーナ2世が町の紋章を認可し、1786年から1788年までガヴリーラ・デルジャーヴィンが知事として町の発展に寄与しました。彼の在任中には、多くの文化的な施策が講じられ、劇場大学新聞などが設立されました。

19世紀の発展と社会的変動


19世紀には、タンボフは文化・教育の中心地としての地位を確立し、学校や図書館が数多く設立されました。その人口は1897年には5万人を超えるほどに成長しましたが、その背後にはロシア帝国末期の農民の反乱という社会的不安定も影を落としていました。

1920年から1921年にかけてのロシア内戦では、タンボフ周辺で農民反乱が発生し、ボリシェヴィキ赤軍との激しい戦いが繰り広げられました。これに対する抑圧も厳しく、毒ガスを用いた軍事行動が展開されました。

第二次世界大戦とその後


第二次世界大戦中、タンボフには収容所が設けられ、多くのフランス人が抑留されました。さらには、日本のシベリア抑留者もこの地域に送り込まれ、厳しい状況の中で多くの人々が命を落としました。

現在のタンボフ


現在、タンボフは産業、文化、軍事の中心地として発展を続けています。市内には美術館があり、ロシアや西欧の著名な画家たちの作品を所蔵しています。また、ロシア最古のドラマ劇場のほか、2つの大学、軍学校、音楽学校も設立されており、市民の文化生活を支えています。

姉妹都市


タンボフはフランスのバル=ル=デュックと姉妹都市協定を結んでいます。このように、タンボフは歴史的背景を持ちながら、現代においても活気ある地域として知られています。

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