リボルバー (佐藤正午の小説)

リボルバー（小説・映画）

『リボルバー』は、佐藤正午による日本の小説、そしてそれを原作とした1988年公開の日本映画です。小説は、盗まれた実弾入りのリボルバー拳銃をめぐる人々の人間模様を描いた作品で、緻密な心理描写と予測不能な展開が魅力です。

小説

概要

1985年11月に集英社より単行本が出版され、1988年4月には集英社文庫として文庫化されました。その後、2007年12月に光文社文庫より再刊されています。2013年11月1日には集英社よりデジタル版も発売されました。

書誌情報

単行本：1985年11月1日発売、集英社、ISBN 978-4087750720
集英社文庫：1988年4月1日発売、ISBN 978-4087493160
光文社文庫：2007年12月6日発売、ISBN 978-4334743512
電子書籍：2013年11月1日発売、集英社

映画

概要

1988年に藤田敏八監督によって映画化されました。藤田監督にとって最後の監督作品であるとともに、前年に日活から改称したロッポニカの最後の作品となりました。

あらすじ

鹿児島県警の交番勤務の巡査部長・清水信彦は見合い相手の山川亜代とのデートで、バーのホステス・節子に心惹かれます。一方、別府競輪で大穴を当てた蜂谷と永井は鹿児島へ向かい、受験生の出水進はホステスの美希を暴行する石森を目撃し、暴力を振るわれます。ある日、清水は勤務中に拳銃を奪われ、奪ったのは会社員の阿久根でした。阿久根は不倫相手の美里から結婚を告げられ、衝動的に犯行に及んだのです。しかし、殺害に失敗し、拳銃を動物園のゴミ箱に捨てます。それを拾ったのが出水でした。出水は復讐のため、石森の居場所を聞き出し札幌へ向かいます。拳銃を奪われ辞職した清水も、節子を追って札幌へ。亜代、蜂谷、永井もそれぞれの目的で札幌に集まります。札幌に着いた出水は石森に銃を向けますが、清水が阻止。その銃を亜代が拾い、清水に発砲しますが、弾は蜂谷に当たってしまいます。清水は節子に別れを告げられ、タクシー運転手として生きていくことになります。

キャスト

清水信彦：沢田研二
出水進：村上雅俊
佐伯直子：佐倉しおり
蜂矢圭介：柄本明
永井新：尾美としのり
尾崎節子：手塚理美
山川亜代：南條玲子
阿久根康男：小林克也
石森慎二：山田辰夫
池上美希：倉吉朝子
有村美里：吉田美希
工藤保：我王銀次
伊地知：長門裕之
スナックのホステス：高部知子

スタッフ

監督：藤田敏八
原作：佐藤正午
脚本：荒井晴彦
音楽：原田末秋
撮影：藤沢順一
美術：徳田博

原作からの変更点

映画版では、原作にはない清水の見合いや警察官時代のエピソード、見合い相手の山川亜代の登場、拳銃強盗犯とその男が狙った女の描写が多いなど、原作から大きく改変されています。

評価

映画『リボルバー』は、原作の持つサスペンスフルな展開と、藤田敏八監督ならではの映像美が融合した作品として評価されています。また、沢田研二をはじめとするキャストの演技も高く評価されています。

外部リンク

集英社
リボルバー - allcinema
リボルバー(1988) - KINENOTE
Revolver - IMDb（英語）

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