リメンバー・ミー (2010年の映画)

『リメンバー・ミー』(Remember Me)

『リメンバー・ミー』は、2010年にアメリカで製作された恋愛要素を含む青春映画です。監督はアレン・コールターが務め、当時の人気俳優ロバート・パティンソンとエミリー・デ・レイヴィンが主演を務めました。パティンソンは俳優としてだけでなく、製作総指揮としても本作に関わっています。物語はニューヨークを舞台に展開し、それぞれが抱える深い喪失感を乗り越え、再び歩み出す若者たちの姿を描いています。

物語のテーマ

具体的なストーリーの詳細には触れられていませんが、本作の根幹には「喪失からの再生」というテーマがあります。主人公たちは、過去の出来事や家族との関係の中で心に傷を負っており、その苦悩と向き合いながら成長していきます。

主要な登場人物

本作には、主人公たちを取り巻く個性豊かな人物たちが登場します。

タイラー・ホーキンス
演：ロバート・パティンソン（日本語吹替：櫻井孝宏）
大学の聴講生として学びながら、書店でアルバイトをする青年。6年前に兄のマイケルを失った過去があり、エリート弁護士の父親チャールズとの間に深い確執を抱えています。兄が自殺したのと同じ22歳という年齢を目前にして、自身の人生を見つめ直します。自身を逮捕した警察官の娘であるアリーに興味を持ち、彼女に接近します。

アリー・クレイグ
演：エミリー・デ・レイヴィン（日本語吹替：白石涼子）
タイラーと同じ大学に通う学生。ある強いこだわりを持っており、好きな食べ物を先に平らげたり、地下鉄に乗らないといった習慣があります。これは、彼女が過去に経験したトラウマと関係しています。

ニール・クレイグ警部
演：クリス・クーパー（日本語吹替：加藤亮夫）
アリーの父親であり、警察官。娘のアリーに対して過保護な態度をとることが多い人物です。物語の序盤で、揉め事を仲裁しようとしたタイラーを逮捕します。

ダイアン・ハーシュ
演：レナ・オリン（日本語吹替：ニケライ・ファラナーゼ）
タイラーとキャロラインの母親。夫チャールズとの離婚後、レスという別の男性と再婚しています。

チャールズ・ホーキンス
演：ピアース・ブロスナン（日本語吹替：横島亘）
タイラーとキャロラインの父親。成功したエリート弁護士ですが、タイラーとの親子関係には困難を抱えています。

エイダン・ホール
演：テイト・エリントン（日本語吹刻：千々和竜策）
タイラーの親友でありルームメイト。同じ大学の学生でもあります。アリーが、タイラーを逮捕した刑事の娘であることをタイラーに知らせます。

キャロライン・ホーキンス
演：ルビー・ジェリンズ（日本語吹替：矢島晶子）
タイラーの11歳になる妹。絵を描くことに類稀な才能を持ち、ニューヨーク大学の芸術講座に推薦されるほどですが、学校では周囲の同級生との馴染めず、いじめの対象となっています。

ヘレン・クレイグ
演：マーサ・プリンプトン
アリーの母親。アリーが幼かった10年前に、地下鉄での強盗事件に巻き込まれ、娘の目の前で命を落としました。アリーが地下鉄に乗らない理由はここにあります。

レス・ハーシュ
演：グレゴリー・ジュバラ（日本語吹替：綿貫竜之介）
ダイアンの再婚相手です。

ジャニン
演：ケイト・バートン（日本語吹替：田村千恵）
チャールズの秘書を務める人物です。

サマンサ
演：ペイトン・リスト

批評

映画公開後、『リメンバー・ミー』は批評家から様々な評価を受けました。映画評論サイトRotten Tomatoesでは、127件のレビューのうち肯定的な評価は28%に留まり、平均評価は4.3/10と厳しいものでした。特に主要な批評家による評価はさらに低く、29件中肯定派は24%、平均評価は4.7/10でした。同サイトの批評家の総意としては、「物語の意図は評価できるものの、過度に感傷的な脚本と、観客を不愉快にさせる可能性のある終盤の展開に苦しめられている」とされています。また、Metacriticでも29件のレビューに基づく加重平均値は40/100でした。

具体的な批評としては、『エンターテインメント・ウィークリー』のリサ・シュワルツバウムが「D+」と評価し、「魅力的な登場人物たちに不条理な災難を降りかける不謹慎な仕掛け」と本作を批判。主演俳優の演技や脚本にも否定的な見解を示しました。多くの批評家からは、物語終盤でアメリカ同時多発テロ事件を扱うことについて、不謹慎であり、感動を搾取しているとの強い批判が上がりました。

一方で、肯定的な評価も存在しました。『ハリウッド・リポーター』のカーク・ハニーコットや、『シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートなど、一部の批評家は本作を高く評価しています。

総じて、『リメンバー・ミー』は、若者の喪失と再生という普遍的なテーマを描きつつも、その表現方法や物語の結末に関して、批評家間で大きく意見が分かれた作品と言えます。

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