リュウキュウガモ

リュウキュウガモの概要

リュウキュウガモ（学名：Dendrocygna javanica）は、カモ目カモ科に属する鳥類の一種です。「琉球鴨」という名前はそのまま琉球を指し示していますが、この種は主にインドや東南アジアで広く分布しています。

分布

リュウキュウガモは、インドや東南アジアでは留鳥として普通に見ることができますが、中国南部や台湾では夏鳥として渡来し、繁殖のために姿を現します。日本ではかつて琉球諸島において留鳥または夏鳥として生息していましたが、北限として1963年に慶良間列島で観察されたのを最後に記録が途絶えました。しかし、1999年には西表島で2羽の個体が確認されたという例もあります。また、愛知県での観察例もありますが、こちらは飼育されていた個体が逃げ出した可能性が高いとされています。最新の情報では、2024年5月1日に石垣市の田んぼで61年ぶりにリュウキュウガモが飛来したとの報告があります。

形態

リュウキュウガモは全長約41cmで、カモ類の中では小型の部類に入ります。その身体は全体に赤褐色をしていますが、頭から背中にかけては濃い褐色や灰褐色の色合いが見られます。特徴的な点は、頸と足が比較的長く、飛翔時には足が尾を越えることが他のカモとの明確な区別ポイントとなります。

生態

リュウキュウガモは湖や湿地、マングローブの生えた河川などに生息しています。生息地では単独または少数の群れを作り生活しています。主な食性は植物食で、特に穀物類を好んで食べる傾向があります。

繁殖形態については卵生で、通常は灌木や樹木の上に巣を作りますが、カラスやサギなどの古巣を利用することもあるため、営巣場所には柔軟性があります。産卵数は6〜8個で、抱卵期間は約28日です。また、鳴き声は「フィー、フィー」と特徴的な音を発することで知られています。

リュウキュウガモはその外見や生態から、多くの鳥観察者や自然愛好家に人気のある種ですが、その生息環境の変化により、今後の動向には注目が必要です。特に日本においては、これからの観察や保護についても重要な役割を果たすことでしょう。

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