リュ・ソンヒ

リュ・ソンヒ: 韓国映画界の先駆者

リュ・ソンヒ（류성희）は、1968年11月13日に生まれた韓国の映画美術監督およびプロダクションデザイナーです。彼女は、2016年に公開された映画『お嬢さん』の美術監督として知られ、韓国人として初めてカンヌ国際映画祭でのバルカン賞（芸術貢献賞）を受賞しました。その功績は国内外で高く評価され、数々の美術賞を受賞しています。

学歴と初期の経歴

リュは弘益大学校で陶芸を学び、後に美術大学院で産業デザインを修了しました。彼女は陶芸家としてキャリアをスタートさせましたが、次第に陶芸が限られた人々との交流にしか役立たないことに不満を感じました。映画制作に興味を抱いていた彼女は、1995年にアメリカのアメリカン・フィルム・インスティチュート（AFI）に留学し、プロダクションデザインを学びました。帰国後、映画制作会社を訪ねながら美術監督の職を探しましたが、当時の韓国ではこの役職があまり認知されておらず、仕事を得るのは困難でした。

映画キャリアの始まり

2001年に公開された短編映画『コッソム』を通じて映画美術の世界に参入しました。そして2002年にはリュ・スンワン監督の『血も涙もなく』で美術監督デビューを果たしました。彼女は美術監督の代わりに「プロダクションデザイナー」という肩書きを使用し、これまで分かれていた美術、小道具、メイク、セットチームを統合し、総指揮を取るスタイルを確立しました。

主な作品と受賞歴

その後、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』、パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』などの名作に関わり、彼女のキャリアは飛躍的に進展しました。2016年には『お嬢さん』でカンヌ国際映画祭バルカン賞を受賞し、韓国国内では青龍映画賞美術賞を受賞するなど、数多くの賞を手にしました。特に『お嬢さん』は国際的な評価を受け、様々な映画批評家協会からも美術賞を多数受賞しています。

アメリカ映画芸術科学アカデミーの会員

2018年には、アカデミー賞を運営するアメリカ映画芸術科学アカデミー（AMPAS）に会員として招請され、さらに国際的な視野を広げる機会を得ました。

まとめ

リュ・ソンヒは、韓国映画界において重要な役割を果たす美術監督であり、彼女の功績は作品ごとに際立っています。多くの映画で彼女が作り出す美術は、ストーリーをより深く引き立てる要素となり、多くの観客に影響を与えています。彼女は、韓国の映画美術の未来へ向けた道を開き続け、引き続き新しいハードルに挑戦し続けているのです。

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