リューリク・ロスチスラヴィチ (キエフ大公)

リューリク・ロスチスラヴィチ：キエフ大公位を巡る権力闘争

リューリク・ロスチスラヴィチは、キエフ大公ロスチスラフの子として生まれ、リューリク朝の一員として、12世紀後半から13世紀初頭にかけてのルーシの歴史を彩った人物です。彼の生涯は、キエフ大公位を巡る激しい権力闘争と、それに伴う数々の戦いと政略に満ちています。

生涯：各地の公位を歴任

リューリクは、オーヴルチ公、ノヴゴロド公、ベルゴロド公、そしてキエフ大公といった、ルーシ各地の重要な公位を歴任しました。特にキエフ大公位は、当時のルーシにおいて最も権威のある地位であり、リューリクは幾度もその座を巡って争いました。彼の主な対戦相手は、スーズダリ・ユーリー家、ガーリチ・ロマン家、チェルニゴフ・オレグ家といった、当時のルーシにおける有力な家系でした。

アンドレイとの共闘と決別

父の死後、リューリクはオーヴルチを領有しましたが、キエフ大公位には従兄弟のムスチスラフが就きました。その後、ウラジーミル大公アンドレイがキエフを陥落させ、自身の弟をキエフ大公に据えると、リューリクはノヴゴロド公に迎えられました。一時的にアンドレイと協力関係にありましたが、後に反アンドレイの姿勢を明確にし、キエフを巡って争うことになります。

1173年には、アンドレイが弟のミハイルをキエフ大公に立てると、リューリクは弟ダヴィドと共にキエフ近辺を防衛し、アンドレイの軍勢を破ってキエフ大公位を奪取しました。しかし、アンドレイの反撃によりキエフを放棄し、ベルゴロドに籠城します。アンドレイの死後、兄弟のロマンが再びキエフ大公位に就きましたが、リューリク自身もキエフを巡る戦いを続けることになります。

キエフの共同統治

アンドレイの死後、ウラジーミル大公国では後継者争いが勃発し、チェルニゴフのスヴャトスラフとウラジーミルのフセヴォロドとの間で対立が深まりました。リューリクはガーリチ公ヤロスラフと同盟を結び、キエフを制圧。弟のダヴィドをスモレンスクへ派遣し、スヴャトスラフの攻撃を防ぎました。最終的に、キエフ大公位はスヴャトスラフのものとなりましたが、キエフ領域のその他の地はリューリクが領有し、1180年から1194年にかけて、リューリクとスヴャトスラフによる二頭支配体制が確立しました。

ロマンとの関係

リューリクは娘のプレドスラヴァをヴォルィーニ公ロマンと結婚させましたが、ロマンがガーリチ公位を失い、リューリクに援助を求めたことがきっかけで、両者の関係は複雑化します。リューリクはロマンに軍隊を与えましたが、ガーリチ奪回には至りませんでした。その後、ロマンはリューリクの所領を荒らし、両者は敵対関係となります。1203年には、リューリクがキエフを占領しましたが、ロマンに捕縛され、修道士にさせられました。ロマンの死後、リューリクはキエフ大公位に復位しましたが、その後もフセヴォロドとの闘争が続きました。

フセヴォロドとの最終決戦

1206年、チェルニゴフ公フセヴォロドがキエフに侵攻し、リューリクはオーヴルチへ追いやられました。その後、一時的にキエフを奪還しましたが、1210年にはノヴゴロドを巡る対立から、キエフをフセヴォロドに譲渡。リューリク自身はチェルニゴフ公となりました。その没年は定かではありませんが、彼の生涯は、キエフ大公位を巡る 끊임없는 権力闘争の 시대를象徴するものとして、ルーシ史に深く刻まれています。

もう一度検索