リユニオン・タワー

リユニオン・タワーは、アメリカ合衆国テキサス州ダラス市内にそびえる高さ561フィート（約171メートル）の展望塔です。ダラスを代表する建造物の一つとして広く知られており、中心部のリユニオン地区、リユニオン・ブールヴァード300番地に位置しています。隣接するハイアット・リージェンシー・ホテルの施設の一部として機能しており、ダラス市内では15番目に高い構造物となっています。当初は独立した建物として建てられましたが、1998年にハイアット・リージェンシー・ダラスの増築に伴い接続されました。このタワーは、著名な建築事務所であるウェルトン・ベケット&アソシエイツによって設計されました。

歴史

リユニオン・タワーは、1978年2月2日にリユニオン地区の大規模な都市再開発プロジェクトの一環として、ハイアット・リージェンシー・ダラスと共に開業しました。地元ではその独特な形状から「ザ・ボール」の愛称で親しまれるようになりました。この再開発には、歴史あるユニオン駅の改修や、アムトラック、ダラス高速運輸公社、トリニティ・レールウェイ・エクスプレスといった公共交通機関の乗り入れが含まれており、ダラス・フォートワース国際空港やフォートワースとの接続を強化する狙いがありました。建設プロジェクトはM・M・サント建設会社が請け負いました。

開業当初、タワーにはウェスティングハウス・ブロードキャスティングが一時的に所有していたラジオ局KOAX-FM（現在のKRLD-FM）が入居し、「500フィート上空から24時間生中継」という放送を行っていました。ただし、電波塔としての機能はないため、連邦通信委員会のデータベースには登録されていません。

タワーは2007年11月16日から大規模な改修のため一時閉鎖されました。改修を終え、まずレストラン階が2009年2月9日に再開し、続いて開業35周年を迎えた2013年10月5日に展望台が再び一般公開されました。リユニオン・タワーは、ディーリー・プラザやケネディ大統領暗殺事件現場から約1,000フィート（約300メートル）という近距離に位置しています。

構造

リユニオン・タワーは、打放しコンクリート製の4本のエレベーター・シャフトの上部に、3階建ての円形構造物が載せられた設計となっています。中央の円筒形の軸には階段や配線が収められており、その中央筒と並行する3本の角型シャフトにはエレベーターが設置されています。各エレベーターシャフトの表面はガラスパネルで覆われており、わずか68秒間の昇降中にダラスの市街地を一望できます。2008年の改修以前は、1階に展望台、2階に床が水平に回転するレストラン「アンタレス」、そして3階にクラブ「ザ・ドーム」がありました。これらのフロアは、アルミニウム製の支柱によって形成された外部のジオデシック・ドームに覆われています。このドームを構成する支柱の260カ所の交点には、中央に照明が組み込まれた円形のアルミニウムカバーが取り付けられています。

照明

夜になると、タワーのドーム部分は鮮やかにライトアップされます。この照明は、アルトマン・ライティングとフィリップス・ソリッド・ステート・ライトニングのカラー・キネティクス部門が製造した259個のカスタムLED照明によって実現されています。ダラスを拠点とするLED照明会社であるウィーダマークが、この照明システムの改修、設置、プログラミングの中心的な役割を担いました。当初の照明は従来の白熱電球で、それぞれ130ワットを消費していましたが、新たなLEDシステムは電力消費を5分の1以下に抑えつつ、多彩な色の変化やアニメーションを可能にしています。各ポイントの電力使用量は、平均的な常夜灯1つ分程度にまで抑えられています。

設置されているのは、厚さ3/4インチの磨りガラスで覆われた赤、緑、青の組み合わせによるRGB LEDライトです。これらは直径が約16インチと比較的大きいですが、携帯電話の画面のピクセルと同様の原理で機能します。赤、緑、青の明度を調整することで、ピンク、紫、白など、あらゆる色を表現できます。これらの色を球体上で滑らかに変化させることにより、アニメーションのような動きを見せることも可能です。259個全ての照明装置はカラー・キネティクスのハードウェアで制御されており、コンピュータープログラムによって球体上に様々なパターンや色を表現できます。照明の制御には、通信プロトコルDMX512が使用されています。各装置は重量が約20ポンドで、ステンレス鋼製です。リユニオン・タワーのライトアップは、ダラスのスカイラインにおける象徴的な存在となっているだけでなく、クリスマスの色やアニメーション、聖パトリックデーの緑、国の祝日の赤・白・青など、市内のイベントやホリデーに合わせて特別に演出されます。2015年6月26日には、合衆国最高裁判所が同性婚を認めたオーバーグフェル対ホッジス裁判の判決を記念して、レインボーカラーにライトアップされました。

アトラクション

2009年2月11日、セレブリティ・シェフであるウルフギャング・パック氏が、最上階に回転式の高級レストラン「ファイブ・シックスティ」を開業しました。このレストラン名は、タワーの高さにちなんで名付けられました。中間のフロアは、ユニオン駅近くにあるウルフギャング・パック・ケータリングが管理するイベントスペースとして利用されていました。しかし、約11年後の2020年4月、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて「ファイブ・シックスティ」は閉店しました。

展望台フロアは「ジオデッキ」と呼ばれています。ここでは、リユニオン・タワーを含むダラスの主要なランドマークに関する展示や、1963年11月22日に発生したケネディ大統領暗殺事件に関する展示を見ることができます。また、高解像度カメラによる市内のライブ映像や、各方向の景色を拡大して見ることができる望遠鏡も設置されています。

展望台に隣接する「クラウド・ナイン・カフェ」は、床がゆっくりと回転する仕組みになっており、360度のパノラマビューを楽しみながら軽食などを取ることができます。

タワーの下階にあるギフトショップ「カレイドスコープ」では、リユニオン・タワー独自の記念品や、ダラス、テキサスに関連する様々なグッズが販売されています。

メディア登場

リユニオン・タワーは、開業以来、多くの映画やテレビ番組に登場し、その存在感を放っています。

1978年: CBSの連続ドラマ『ダラス』のオープニング映像に使用されました。
1979年: 『ダラス』の第2シーズンでは、完成からわずか6ヶ月後のタワーが撮影セットとして使われました。
1980年: ブルース・デイヴィソン主演の映画『The Lathe of Heaven』では、未来派グループのシンボルとして登場しました。
1986年: アクション映画『地獄のエージェント/緊急指令"究極兵器を追え!"』のクライマックスシーンの舞台となりました。
1987年: ピーター・ウェラー主演の映画『ロボコップ』はミシガン州デトロイトが舞台ですが、このタワーが登場しています。
1993年-2001年: 連続ドラマ『炎のテキサス・レンジャー』の複数のエピソードに登場しました。
1997年: アナベラ・シオラ主演のテレビ映画『アステロイド/最終衝撃』の後半オープニングで、ダラスに隕石が降り注ぎ、タワーが崩壊する描写があります。これは、著名な作品の中でタワーが破壊される唯一の例です。
2011年: テレンス・マリック監督の映画『ツリー・オブ・ライフ』に登場しました。
2014年: エンターテイメントグループDude Perfectのビデオ『Reunion Tower Shot』に登場しました。
2014年: ドラマ『ホルト・アンド・キャッチ・ファイア』シーズン1のエピソード「High Plains Hardware」に登場しました。
* 2015年: 『The Amazing Race 26』のシーズンフィナーレに登場しました。

リユニオン・タワーは、その独特の構造と歴史、そして夜間の鮮やかなライトアップによって、ダラスの街にとって欠かせないシンボルとなっています。

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