炎のテキサス・レンジャー

『炎のテキサス・レンジャー』（原題：Walker, Texas Ranger）は、1993年から2001年までアメリカ合衆国のCBSネットワークで放送された、人気のアクション刑事ドラマシリーズです。主演のチャック・ノリスは、この作品を通じて国際的な知名度を高め、ハリウッドスターとしての地位を確立しました。一話完結型のストーリー展開を基本とし、手に汗握るサスペンスと、チャック・ノリスならではの武術を駆使した迫力あるアクションが見どころです。

全8シーズンにわたって合計203話が制作され、その根強い人気から、2021年には『ウォーカー』としてリブート版が新たに制作されています。

あらすじ

物語の中心となるのは、テキサス州北西部のタラント郡、特にフォートワース周辺を舞台に活躍するテキサス州警備隊、通称テキサス・レンジャーの隊員たちです。

主人公のコーデル・ウォーカーは、類稀なる正義感を胸に、どんな巨悪であろうと決して見過ごさないタフなベテランレンジャー。幼い頃に両親を亡くし、アメリカ先住民の叔父であるアンクル・レイに育てられました。若い頃は海兵隊の特殊部隊員としてベトナム戦争で数々の武勲を立てた経歴を持ち、その経験で培われた武術と射撃の腕前は超一流です。

ウォーカーは、相棒であり親友のジェームズ・トリベット、タラント郡の有能な検事であるアレックス・ケイヒル、そして元レンジャーで地元の居酒屋「CD's Bar and Grill」を経営するC・D・パーカーといった信頼できる仲間たちと共に、テキサスの平和を守るために日夜奮闘します。彼らは協力し合い、凶悪事件から日常の犯罪まで、様々な困難な事件に立ち向かっていきます。

主要登場人物

コーデル・ウォーカー (Cordell Walker)
演：チャック・ノリス、吹替：谷口節
タラント郡におけるテキサス・レンジャーのエース。正義感が強く、高い武術と射撃のスキルを持つ。アメリカ先住民と白人の血を引く。両親の死後、叔父に育てられた。海兵隊退役後、レンジャーとなる。

ジェームズ・トリベット〈ジミー〉 (James Trivette)
演：クラレンス・ギリヤード、吹替：鳥海勝美
ウォーカーのパートナーであり、心強い親友。大学卒の知的な人物で、NFLの元選手という異色の経歴を持つ。コンピュータやデータ分析を得意とし、時には伝統的な捜査手法を重んじるウォーカーと意見が衝突することもある。人種差別を受ける経験も描かれる。

アレックス・ケイヒル (Alex Cahill)
演：シェリー J・ウィルソン、吹替：水谷優子
タラント郡の敏腕検察官。ウォーカーに劣らぬ強い正義感を持つ。しばしば捜査でウォーカーたちと協力し、信頼関係を築く。ウォーカーに対して特別な感情を抱いている。

C・D・パーカー (C.D. Parker)
演：ノーブル・ウィリンガム、吹替：富田耕生
ウォーカーとトリベットの頼れる人生の先輩。レンジャーを引退後、フォートワースで自身の名を冠した居酒屋を営んでいる。レンジャーとしての豊富な経験から、二人に的確なアドバイスを与える。

フランシス・ゲイジ (Francis Gage)
演：ジュドゥソン・ミルズ、吹替：蓮池龍三
シリーズ終盤となるシーズン8から登場する若手レンジャー。新しい世代の視点をもたらす。

シドニー・クック (Sydney Cooke)
演：ニア・ピープルズ、吹替：弓場沙織
同じくシーズン8から加わる若手レンジャー。ゲイジと共にチームに新風を吹き込む。

ゲストスター

本作には、各界から多数の著名人がゲストとして登場しました。俳優、コメディアン、ミュージシャン、プロスポーツ選手、さらには実際に武術や格闘技の分野で活躍する面々など、非常に幅広い分野から豪華な顔ぶれが招かれ、エピソードに華を添えています。特に格闘家として、チャック・ノリスと関連のある人物や、キックボクシング、総合格闘技、プロレスといった多様なバックグラウンドを持つアスリートが出演している点は、本作のアクション性とも合致し特筆されます。例としては、ハルク・ホーガン、ランディ・サベージといったプロレスラーや、ロバート・ウォールなどの武道家が挙げられます。また、トビー・マグワイア、ミラ・クニス、ハーレイ・ジョエル・オスメントなど、後に有名になる俳優たちも若き日に出演しています。

『炎のテキサス・レンジャー』は、チャック・ノリスの代名詞とも言える作品として、世界中のアクションファンに記憶されています。その明快な勧善懲悪のストーリーと、主役の魅力的なキャラクター、そして見ごたえのあるアクションシーンは、多くの視聴者を引きつけ、長期シリーズとしての成功を収めました。

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