リヨン歴史地区

リヨン歴史地区：フランス南東部の魅力溢れる世界遺産

フランス南東部、リヨンの中心部に位置するリヨン歴史地区は、1998年にユネスコの世界遺産に登録された、歴史と文化が息づく貴重なエリアです。ソーヌ川沿いの石畳の旧市街から、丘の上のノートルダム大聖堂、そして絹織物で栄えたクロワ・ルース地区まで、多様な魅力が凝縮されています。

ベルクール広場：街の中心、出会いの場

ローヌ川とソーヌ川に挟まれたベルクール広場は、ヨーロッパでも有数の広さを誇る中心広場です。東西300m、南北200mの広大な空間は、マロニエ並木と道路に囲まれ、ルイ14世の像が堂々と中央に鎮座しています。

様々なイベントが開催されるこの広場は、地下には駐車場を備え、市民の憩いの場としてだけでなく、観光客のためのインフォメーションセンターも設置されています。南西隅では、日曜日に切手市が開かれることも。サン＝テグジュペリの像もあり、『星の王子さま』の作者ゆかりの地を訪れることができます。地下鉄A線とD線の駅も近接しており、交通アクセスも抜群です。

リヨン旧市街：歴史と伝統が織りなす街並み

石畳の路地が迷路のように張り巡らされたリヨン旧市街は、中世から近世にかけての建築物が立ち並び、独特の雰囲気を醸し出しています。その象徴ともいえるのが、フルヴィエールの丘のふもとに位置するサン・ジャン大聖堂です。1180年から1480年にかけて建設されたこの大聖堂は、フランス王アンリ4世とマリー・ド・メディシスが結婚式を挙げた場所としても知られています。

フルヴィエールの丘：リヨンのパノラマビューと古代ローマの遺産

リヨン市内を一望できるフルヴィエールの丘は、その頂上に壮麗なフルヴィエール大聖堂を擁しています。1872年から1896年にかけて建設されたこのバシリカ式教会堂は、リヨンのシンボル的存在です。

大聖堂の近くには、紀元前43年に建設されたフルヴィエール古代ローマ劇場の遺跡が残されており、夏にはコンサートや演劇などが開催される「フルヴィエールの夜」というイベントが行われています。丘のふもとには、25,000㎡のロゼール庭園が広がり、緑豊かな空間を提供しています。

テロー広場とリヨン美術館：芸術と文化の息吹

市庁舎に隣接するテロー広場には、フレデリク・バルトルディ作の噴水があります。夜には、噴水が美しくライトアップされ、幻想的な雰囲気を演出します。広場を挟んで反対側には、リヨン美術館があり、絵画や彫刻などの芸術作品を鑑賞することができます。

サン・ニジエ教会：ゴシック様式の美しい教会

14世紀から15世紀にかけて建設されたサン・ニジエ教会は、そのゴシック様式の美しい建築様式で知られています。

クロワ・ルース地区：絹織物の歴史と秘密の通路

古くから絹織物産業で栄えたクロワ・ルース地区は、高い天井を持つ建物が特徴的です。そこかしこに存在する「トラブール」と呼ばれる小さな通路は、絹織物の搬送中にデザインを盗まれないように作られたといわれています。第二次世界大戦中は、レジスタンスの活動拠点としても利用された歴史を持つ、謎めいた魅力あふれる地区です。

世界遺産登録基準

リヨン歴史地区は、以下の世界遺産登録基準を満たしていることから、世界遺産に登録されました。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

リヨン歴史地区は、歴史、文化、芸術が融合した、魅力あふれる観光地です。訪れる際には、これらの見どころを巡り、リヨンの豊かな歴史と文化に触れてみてください。

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