リンの谷のローワン

リンの谷のローワン

『リンの谷のローワン』（原題：Rowan of Rin）は、オーストラリアの作家エミリー・ロッダによる児童文学シリーズです。全5巻で構成され、日本では2000年から2003年にかけてあすなろ書房から佐竹美保さんのイラストとともに翻訳版が出版されました。翻訳はさくまゆみこさんが担当しています。

概要

物語は、弱虫で怖がりな14歳の少年ローワンが、さまざまな冒険を通して自身の弱さを克服し、成長していく姿を描いたファンタジーです。舞台となるのは、勇敢で屈強な人々が多く住む「リンの谷」。ローワンは、村の家畜であるバクシャーの世話係をしています。

第1巻『ローワンと魔法の地図』は、1994年度のCBCAオーストラリア最優秀児童図書賞を受賞しており、日本国内での累計売上部数は40万部を超える人気作品となっています。

あらすじ

リンの谷に危機が訪れたとき、ローワンは魔法の地図に導かれ、仲間たちと共に冒険に出ます。禁じられた山には竜が生息しており、数々の試練が待ち受けています。ローワンは、自身の臆病な性格と向き合いながら、知恵と勇気を振り絞って困難を乗り越えていきます。

物語が進むにつれて、ローワンはリンの谷の秘密や、宿敵ゼバックとの因縁を知ることになります。マリスの民との出会いや、＜旅の人＞との交流を通して、ローワンは世界を広げ、自身の役割を見出していきます。

登場人物

ローワン: 本シリーズの主人公。「やせっぽっちのウサギ」と呼ばれるほど弱虫で怖がりな少年ですが、内に秘めた勇気を持っています。
ジラー: ローワンの母親。畑仕事をしており、強く気丈な女性です。マリス民の＜水晶の司＞を選ぶ選任役でもあります。
アナド: ローワンの妹。5歳。好奇心旺盛で元気な少女です。
ストロング・ジョン: リンの村の果樹園の世話係。勇敢で頼りになる存在で、ローワンの成長を支えます。
シバ: リンの村の老婆。「賢い女」と呼ばれ、予言の能力を持つメダルを持っています。
アラン: リンの村のパン屋。旅の人とのつながりを持つ青年です。
ラン: リンの村の長老。かつては勇敢な女戦士でした。
ティモン: リンの村の教師。博識で冷静な人物です。

リンの谷

リンの谷は、勇敢で屈強な人々が多く住む村です。しかし、ローワンのように弱々しい者も生まれるため、いじめを受けることもあります。リンの谷の住民の先祖は、かつて黄金の谷に住んでいましたが、ゼバックの奴隷にされ、戦いに駆り出された過去を持っています。

ゼバック

リンの民の宿敵である国。かつて黄金の谷の住民を奴隷として支配していました。

テーマ

本シリーズは、勇気、友情、自己犠牲といった普遍的なテーマを扱っています。ローワンの成長を通して、読者は自身の弱さと向き合い、困難に立ち向かう勇気をもらうことができるでしょう。

作品一覧

1. ローワンと魔法の地図 (ISBN 978-4-7515-2111-3)
2. ローワンと黄金の谷の謎 (ISBN 978-4-7515-2112-0)
3. ローワンと伝説の水晶 (ISBN 978-4-7515-2113-7)
4. ローワンとゼバックの黒い影 (ISBN 978-4-7515-2114-4)
5. ローワンと白い魔物 (ISBN 978-4-7515-2115-1)

外部リンク

* あすなろ書房【リンの谷のローワン】

もう一度検索