リンカーン (競走馬)

リンカーン (Lincoln)

リンカーンは、2000年3月18日に誕生した日本の競走馬で、2012年6月23日にその生涯を閉じました。彼の名前は、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンに由来しています。競馬界に名を馳せた彼は、数々の重要なレースで優れた成績を収め、同時に種牡馬としても注目を浴びました。彼の競走成績や血統がどのように彼のキャリアに影響を与えたのか、詳しく見ていきましょう。

戦績

リンカーンの競走生活は中央競馬でスタートし、最初は森秀行厩舎に所属しました。彼は2002年に新馬戦で2着となり、続く未勝利戦でも2着の成績を残します。音無秀孝厩舎に転厩後、3戦目の未勝利戦でついに勝利を挙げ、その後は若駒ステークスやすみれステークスで3連勝を達成しました。しかし、皐月賞を回避したことが影響し、青葉賞出走予定だったリンカーンは喘鳴症の一種である喉頭蓋エントラップメントを発症。その結果、手術を受けることになり、奇しくも伯父フサイチコンコルドと同じローテーションで東京優駿に挑み、8着に敗れました。

秋のシーズンでは、神戸新聞杯で4着、菊花賞で2着、そして有馬記念も2着と善戦しましたが、思うような勝利には恵まれませんでした。2004年には、阪神大賞典で前年の菊花賞馬ザッツザプレンティを下し、約1年ぶりの勝利を達成しますが、天皇賞（春）では体調不良により13着と大敗しました。続く宝塚記念では3着に巻き返したものの、天皇賞（秋）では12着と再び惨敗を喫します。

2005年も春のGIではなかなか勝てず、秋の京都大賞典での勝利が久しぶりのものでした。しかしその後のGIレースでは、またもや善戦止まりで、2006年の初戦・日経賞で1番人気に支持され勝利を収めた後、天皇賞（春）で2着になりました。この時の騎手である横山典弘は「リンカーンの生まれた時代が悪かった」と語っており、彼の素晴らしい走破タイムは記録的な速さでした。宝塚記念では敗退し、再びGI制覇には至りませんでしたが、通算23戦中13戦がGI、2着3回、3着2回という素晴らしい成績を持っています。

引退後

リンカーンは2007年から社台スタリオンステーションで種牡馬として活躍しました。彼の種付け料は比較的安価であったため、初年度には約190頭の繁殖牝馬と交配しました。これは新種牡馬の中でもディープインパクトに次ぐ頭数で、多くの期待が寄せられました。彼の初年度産駒であるデルマドゥルガーは、2011年にジュニアカップを制し、その後桜花賞にも出走しました。リーディングサイアーとしての可能性を感じさせる活躍を見せましたが、残念ながらリンカーン自身は2012年に喉嚢炎のため亡くなりました。

主な産駒

リンカーンの産駒には、様々な競走で好成績を収めた馬がいます。2008年産には、デルマドゥルガーを始め、マイネリスペクトやオマワリサン、バーチャルトラックといった馬たちが名を馳せています。また、2009年産にはスフィンクスとダイヤモンドダンスなどがいます。特に、母グレースアドマイヤは東京優駿勝ち馬フサイチコンコルドの半妹であり、リンカーン自身はその血統を引き継いでいます。彼の競走馬としてのキャリアや、種牡馬としての足跡は今後も多くの人々に記憶されるでしょう。

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