リング (格闘技)

格闘技におけるリングの概念

格闘技のリングは、ボクシングやプロレスなどで選手が戦うために設けられた領域であり、その形状や規定はスポーツの種類によって異なります。一般的にボクシングのリングは四角形で、ロープで囲われた構造を持っていますが、プロレスのリングは主にロープが3本で構成されている点が特徴です。近年、リングの設計や使用方法についても多くの変化や進化が見られています。

ボクシングのリングの歴史

ボクシングのリングの起源は、古代ローマやギリシャのコロシアムにまで遡りますが、現在のようなロープで囲まれたリングは18世紀に登場しました。1743年、ジャック・ブロートンが発表した「ブロートン・コード」では、リングの直径を25フィート（約7.6m）と定め、地面に杭を打ってロープを張るスタイルが採用されました。その後、1865年に制定された「クインズベリー・ルール」では、リングの正方形のサイズが明確に規定されました。

ボクシングリングの規定サイズは、ロープの内側が18フィート（約5.5m）から24フィート（約7.3m）までの範囲で、地面からの高さは1.22m以下とされています。

■ 環境整備
リングの周囲には、階段が設けられ、選手やセコンドが入退場する際の便利な通路として機能します。通常、赤コーナー、青コーナー、そしてニュートラルコーナーとして3つのコーナーが設置され、その位置によって選手の格付けが分かれます。

プロレスのリングと特徴

プロレスにおいては、1870年代にキャンバスマットが採用され、1901年には初めて製作されたリングがサンフランシスコで使用されました。プロレスリングはボクシングリングに類似していますが、ロープの本数は3本であることが多いです。これは、選手が頻繁にリングを出入りする必要があるため、出入りしやすさが優先されているためです。

特に、プロレスではロープを使用した技が数多く存在し、ロープの本数が増えると技の使用が困難になる場合があります。日本のプロレスリングは、一辺が6.0から6.4メートル程度のサイズが一般的で、欧米よりも少し大きめです。

総合格闘技のリング

総合格闘技では、リングの選択肢としてケイジ（金網で囲まれた試合場）やリングが使用されます。UFCなどの主要格闘技団体では、通常8角形のオクタゴンケージが用いられることが多く、選手の安全性を確保するための設計が進んでいます。ケイジでは、選手がロープから転落することを防ぐための構造が用意され、多様な戦術が求められる場面も見られます。

リングの構造と安全性

リングはその設計において選手の安全性を中心に考えられています。通常、土台には鉄骨が使われ、その上に厚いクッションとキャンバスが敷かれています。キャンバスの下には、素材によって異なるクッションが敷かれ、豪快な投げ技などでも選手が怪我をしないような工夫がなされています。

まとめ

リングは格闘技において非常に重要な要素であり、その設計や規格、歴史は各競技の特色を反映しています。選手の技術や戦術が最大限に発揮される場所として、リングの構造と周囲の環境が選手のパフォーマンスに大きな影響を与えるため、今後も改善が必要とされるでしょう。

もう一度検索