リヴァプール伯爵

リヴァプール伯爵：輝かしい歴史と現代

イギリス貴族の爵位の一つ、リヴァプール伯爵は、その歴史において興味深い変遷を辿っています。1796年と1905年の2度に渡り創設され、それぞれ異なる家系が爵位を継承してきました。

ジェンキンソン家：栄光の第2代

初代リヴァプール伯爵チャールズ・ジェンキンソンは、18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍した政治家です。彼はトーリー党に所属し、枢密顧問官を務めるなど、政府内で重要な役割を果たしました。その息子、ロバート・バンクス・ジェンキンソンは、第2代リヴァプール伯爵として1812年から1827年まで首相の座に就き、イギリスの歴史に大きな足跡を残しました。彼の在任期間はナポレオン戦争終結後、イギリスの国内外政策において大きな転換期であり、彼の政治手腕が問われた時代でした。しかし、2代伯には子がなく、弟のチャールズが3代目を継承しましたが、彼にも子がなかったため、ジェンキンソン家のリヴァプール伯爵家は1851年に断絶しました。

フォジャム家：爵位を受け継ぎ現代へ

3代リヴァプール伯爵（ジェンキンソン家）の娘、セリナとその夫との間に生まれた息子、セシル・ジョージ・サヴィル・フォジャムは、自由党の庶民院議員として政治活動に従事しました。そして1905年、外祖父の爵位であるリヴァプール伯爵とハークスベリー男爵位が、彼に新たに与えられ、現在まで続くフォジャム家によるリヴァプール伯爵家が誕生しました。この爵位は連合王国貴族爵位として認められ、現在に至るまで継承されています。

フォジャム家のリヴァプール伯爵家は、ジェンキンソン家とは異なり、現在まで途絶えることなく爵位が継承されてきました。2代伯アーサーはニュージーランド総督を務めるなど、活躍の場を広げました。しかし、2代伯以降は、相続人の問題を抱えることもありました。3代、4代伯は共に子がなく、4代伯の死後はその大甥にあたるエドワードが爵位を継承しています。

現当主：第5代リヴァプール伯爵

現当主である第5代リヴァプール伯爵エドワード・フォジャムは、保守党の貴族院議員として活躍し、1999年の貴族院改革後も議席を維持しています。彼はリヴァプール伯爵位以外にも、ハークスベリー子爵位、ハークスベリー男爵位など複数の爵位を保有しています。現在、彼の長男であるハークスベリー子爵ルーク・フォジャムが法定推定相続人となっています。

まとめ

リヴァプール伯爵位は、ジェンキンソン家とフォジャム家という異なる家系によって継承されてきた、歴史あるイギリスの爵位です。特に、首相を務めた第2代リヴァプール伯爵ロバート・ジェンキンソンは、イギリスの歴史に大きな影響を与えた人物として広く知られています。1905年に創設されたフォジャム家のリヴァプール伯爵家は現在も続き、第5代伯爵であるエドワード・フォジャムがその地位を継いでいます。その歴史と、歴代当主たちの活躍は、イギリス貴族の歴史を知る上で重要な要素となっています。

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