リヴィング・シングス

『リヴィング・シングス』（Living Things）は、リンキン・パークが2012年に発表した5枚目のスタジオ・アルバムです。日本盤は2012年6月20日に世界最速で先行リリースされ、全米ではその6日後の6月26日にワーナー・ブラザース・レコードからリリースされました。

このアルバムは、アメリカのビルボード200や全英アルバムチャートをはじめ、世界15カ国以上で初登場1位を獲得するという輝かしい記録を打ち立てました。

プロデュースは、前2作に引き続き、リック・ルービンとバンドメンバーであるマイク・シノダが共同で担当しました。前作『ア・サウザンド・サンズ』から約2年ぶりのリリースとなり、リンキン・パークにとって最も短いリリース間隔のアルバムです。

音楽的な特徴としては、前作、前々作で中心となっていた政治的なメッセージから、1st、2ndアルバムに見られた人間的なメッセージへと回帰している点が挙げられます。歌詞についても、初期の作品と同様に、過激な表現は避けられています。サウンド面では、ヘヴィなギターサウンドが一部で使用されていますが、前面に出ることはなく、電子音が主体となっています。また、マイク・シノダのラップやチェスター・ベニントンのシャウトも、前作、前々作に比べて多く取り入れられています。

収録曲のうち3曲が、ゲームソフトや映画の予告編、テーマソングに起用されており、過去の作品と比較してタイアップの数が最も多いアルバムとなっています。

収録曲は以下の通りです。

1. LOST IN THE ECHO (3:26)
2ndシングル。2012年10月5日リリース。ミュージックビデオはバンドメンバーが一切登場しない初の作品となりました。
2. IN MY REMAINS (3:20)
3. BURN IT DOWN (3:50)
1stシングル。2012年4月16日（日本盤は5月23日）リリース。全米30位、全英27位を記録。
4. LIES GREED MISERY (2:27)
ゲームソフト『メダル・オブ・オナー ウォーファイター』予告編曲。
5. I'LL BE GONE (3:31)
6. CASTLE OF GLASS (3:25)
3rdシングル。2013年2月1日リリース。ゲームソフト『メダル・オブ・オナー ウォーファイター』テーマソング。ミュージックビデオはゲームソフトとのコラボレーション作品。
7. VICTIMIZED (1:46)
8. ROADS UNTRAVELED (3:49)
映画『ニード・フォー・スピード (映画)』挿入曲。
9. SKIN TO BONE (2:48)
10. UNTIL IT BREAKS (3:43)
ギターのブラッド・デルソンが最後のコーラスを歌っています。
11. TINFOIL (1:12)
インストゥルメンタル。
12. POWERLESS (3:45)
日本限定シングル。2012年10月31日に日本でデジタル配信が開始。映画『リンカーン/秘密の書』予告編曲・エンディングテーマソング。

日本盤ボーナス・トラックとして、「What I've Done (Live)」が収録されています。

『リヴィング・シングス』は、リンキン・パークの音楽的な多様性と進化を示すとともに、彼らのルーツに立ち返るような要素も併せ持った、ファンにとって必聴のアルバムと言えるでしょう。

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