ア・サウザンド・サンズ

『ア・サウザンド・サンズ』（A Thousand Suns）は、リンキン・パークが2010年に発表した4枚目のスタジオ・アルバムです。この作品は、核戦争という重いテーマを扱い、バンドの音楽的な探求心と社会へのメッセージが込められたコンセプト・アルバムとして、大きな注目を集めました。

アルバムタイトルは、物理学者ロバート・オッペンハイマーが引用したヒンドゥー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』の一節に由来します。歌詞には、政治的なメッセージがより強く込められており、社会に対する批判的な視点が反映されています。

プロデューサーは、前作『ミニッツ・トゥ・ミッドナイト』に引き続き、リック・ルービンとマイク・シノダが担当しました。今作では、Pro Toolsを多用し、ヘヴィなギターサウンドを抑え、実験的なサウンドプロダクションに挑戦しています。マイク・シノダのラップやチェスター・ベニントンのシャウトも一部で復活していますが、全体的には、より多様な音楽的要素が取り入れられています。

アルバム発売に先駆けて、リード・シングル「The Catalyst」のリミックス・コンテスト「Linkin Park, Featuring You」が開催されました。ファンが自由にリミックスを制作し、投稿するという企画で、優勝者のNoBraiNはアルバム制作にも参加しています。

日本盤には、ボーナス・トラックとして、ギリシャでの「New Divide」のライブ音源が収録されています。また、スペシャル・エディションには、アルバムのメイキング映像を収録したDVDが付属しています。さらに、アーケードゲーム「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」とのタイアップにより、ガンプラ30周年エディションもリリースされました。

『ア・サウザンド・サンズ』は、全米アルバムチャート（Billboard 200）で初登場1位を獲得し、その他世界25ヶ国のアルバムチャートでトップ10入りを果たしました。日本でもオリコンアルバムチャートで2位を記録するなど、世界中で高い評価を得ています。

収録曲は以下の通りです。

1. The Requiem
2. The Radiance
3. Burning In The Skies
4. Empty Spaces
5. When They Come For Me
6. Robot Boy
7. Jornada Del Muerto
8. Waiting For The End
9. Blackout
10. Wretches And Kings
11. Wisdom, Justice, And Love
12. Iridescent
13. Fallout
14. The Catalyst
15. The Messenger
16. New Divide (Live) (日本盤ボーナス・トラック)

『ア・サウザンド・サンズ』は、リンキン・パークの音楽的な進化を示すとともに、社会に対するメッセージを発信する意欲的な作品として、記憶されるでしょう。

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