リヴィーニョ

リヴィーニョ：アルプスに抱かれた免税の楽園

リヴィーニョは、イタリア共和国ロンバルディア州ソンドリオ県に位置するコムーネであり、ロンバルディア州の最北端に位置します。スイスとの国境に接するアルプス山中に位置し、その地理的特性から、独特の歴史と文化を育んできました。人口は約6,800人。

地理

リヴィーニョは、四方を山に囲まれた場所に位置し、町に通じる道路はわずか3本しかありません。冬期には雪に閉ざされることが多く、かつては外部との往来が困難でした。この地理的な条件が、リヴィーニョの免税地域としての歴史を形作ってきました。

主要な河川はアクア・グランダ川で、ヴァル・ディ・リヴィーニョと呼ばれる谷を形成しています。この川はスイス領へと流れ込み、スペール川と名を変え、最終的にはドナウ川水系へと合流します。そのため、リヴィーニョはイタリア領でありながら、地中海ではなく黒海の集水域に属するという珍しい特徴を持っています。また、スイスとの国境にはプント・ダル・ガル・ダムがあり、リヴィーニョ湖という人造湖が広がっています。

歴史

リヴィーニョの地には、中世の頃から羊飼いが定住していたと考えられています。16世紀には税制上の優遇措置が与えられ、1840年頃にはオーストリア帝国によって免税制度が導入されました。これは、冬季の往来が困難で貧困な地域であったリヴィーニョに人々を定住させるための政策でした。

かつてのリヴィーニョの人々は、農業やわずかな商業、そして密輸によって生計を立てていました。しかし、20世紀後半以降、観光業が発展し、リヴィーニョは豊かな観光地へと変貌を遂げました。

免税地域

リヴィーニョは、イタリア国内でありながら付加価値税（消費税）が課されない免税地域です。これは、地理的な条件と歴史的な経緯によるもので、EU（欧州連合）でも関税制度上特殊な地域となっています。そのため、ガソリンやアルコール、タバコなどが安価に販売されており、観光客だけでなく近隣住民も買い物に訪れます。

観光

リヴィーニョは、冬季はスキーリゾート、夏季はハイキングやマウンテンバイクなどのアクティビティが楽しめるリゾート地として人気を集めています。特にスキーはヨーロッパ屈指の規模を誇り、多くのスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。また、免税地域であることからショッピングも人気で、多くの観光客がブランド品や日用品などを買い求めています。

文化

リヴィーニョでは、ロマンシュ語とロンバルド語の中間にあたる独自の方言が話されています。この方言は、街路の名前や標識、公式地図などに用いられており、地域文化の حفظ（ほぞ）として大切にされています。

スポーツ

リヴィーニョは、スポーツも盛んな地域です。2005年には、国際自転車競技連合のマウンテンバイク競技の世界選手権が開催されました。また、2006年のトリノオリンピックでは、イタリア選手団のうち少なくとも8名がリヴィーニョ出身でした。

交通

リヴィーニョは、3本の道路によって外界と繋がっています。そのうち2本はスイス領へ、1本はイタリア領へと続いています。冬季には通行止めになる道路もあるため、事前の確認が必要です。

リヴィーニョは、アルプスの美しい自然と免税の恩恵が受けられる魅力的な観光地です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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