リヴ・ウルマン

リヴ・ウルマン - ノルウェーの名女優・監督

リヴ・ウルマン（本名：Liv Johanne Ullmann）は、1938年12月16日に東京で生まれたノルウェーの著名な女優および映画監督です。父親がエンジニアであったため、幼少期には数度の移住を経験し、最初は東京、次にトロントへと引っ越しましたが、4年後に父親が脳腫瘍で急逝し、ノルウェーへ帰国しました。

俳優としてのキャリアの始まり

ロンドンで演技を学んだ後、1950年代にはノルウェーの舞台で活躍を始め、1957年には映画デビューを果たします。その後彼女は数々の名作に出演し、特に1972年の『移民』（または『移民者たち』）では、北欧からの移民農家の妻を演じ、ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞（ドラマ部門）を受賞しています。この作品は彼女にアカデミー主演女優賞へのノミネートももたらしました。

さらに、『鏡の中の女』（1975年）では幻覚に悩まされる精神科医を演じ、2度目のアカデミー賞ノミネートを獲得しました。特に印象深いのは、1978年の『秋のソナタ』において、実力派女優イングリッド・バーグマンと共演した際の演技です。彼女は母親に7年間会えなかった娘の怒りを圧倒的な存在感で表現しました。

映画監督としての道

2000年には自身が監督した映画『不実の愛、かくも燃え』を発表。この作品はイングマール・ベルイマンが脚本を手掛けたもので、彼女は早くからベルイマンと公私にわたる関係を持ち、10本の映画を共に製作しました。二人の間には娘が一人おりながら結婚に至らず、彼女は1985年に2度目の夫とニューヨークで生活しましたが、1995年に離婚しました。それにもかかわらず、二人は2007年まで共に住んでいました。

社会貢献と受賞歴

ウルマンは演技を通じた芸術活動だけでなく、社会的貢献にも積極的でした。2010年12月にはノーベル賞授賞式に出席し、平和賞を受賞した劉暁波のために、前年に書かれた文章を読み上げました。また、2022年3月25日に開催された第12回ガバナーズ賞においてアカデミー名誉賞が授与されるなど、彼女の偉業は評価されています。

主な作品

ウルマンの主な出演作品には、上記の『移民』や『秋のソナタ』があり、また、監督作品『不実の愛、かくも燃え』は特に注目されています。

参考文献

彼女の自伝『Changing』は、邦訳が『チェンジング :リブ・ウルマン自伝』として刊行され、ノルウェーの彼女の生涯やキャリアに興味を持つ人々にとって貴重な資料です。1977年に出版されたこの本は、1980年代にかけて多くの読者に愛されています。

ウルマンの芸術的な足跡は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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