リービ英雄のプロフィール
リービ英雄(Ian Hideo Levy、
1950年11月29日生まれ)は、アメリカの
カリフォルニア州バークレーに生まれた
小説家であり、日本文学の研究者です。彼の本名はリービ・ヒデオ・イアンであり、
ユダヤ系アメリカ人です。リービ氏は日本語を母国語としていないにもかかわらず、日本語での創作を続けています。現在は
法政大学国際文化学部の
教授を務めています。
出自と学歴
リービ英雄は東欧系ユダヤ人の父親とポーランド人移民の母親のもとに生まれました。父親は外交官だったため、リービ氏は少年時代から
台湾、
香港、アメリカ、日本の間で移り住む経験をし、様々な文化に影響を受けました。「ヒデオ」という名前は、父の友人であり、第二次世界大戦中にアメリカ内陸部に抑留された日系人に因んで名付けられました。
プリンストン大学で東洋学を専攻し、
大学院では文学博士号を取得しました。特に
中西進から『
万葉集』を学び、その後、同大学で助
教授や
スタンフォード大学の准
教授を務めた後、ついに日本に移住しました。リービ氏が
小説を執筆するようになったのは、中上健次からのアドバイスがきっかけとされています。また、
司馬遼太郎やポール・アンドラー
教授とも交流を持っています。
受賞歴
リービ英雄は数々の受賞歴を誇ります。特に1982年には『
万葉集』の英訳により全米図書賞を受賞しました。
1992年には
小説『星条旗の聞こえない部屋』で野間文芸新人賞を受賞し、その後も『千々にくだけて』(2005年)で大佛次郎賞、『仮の水』(2009年)で
伊藤整文学賞、『模範郷』(2017年)で読売文学賞、さらに『天路』(2021年)で再び野間文芸賞を受賞しています。
主要著作
リービ氏の
小説には、次のような作品があります。
- - 『星条旗の聞こえない部屋』(1992年) - 本作は、のちに文芸文庫としても刊行され、2011年に英訳版が発表されています。
- - 『天安門』(1996年) - 講談社から出版。
- - 『国民のうた』(1998年) - 同じく講談社からの作品。
- - 『千々にくだけて』(2005年) - のちに文庫化。
- - 『ヘンリーたけし レウィツキーの夏の紀行』(2002年) - 講談社からの出版。
- - 『模範郷』(2016年) - 集英社から出版された作品。
- - 『天路』(2021年) - 最新作であり、特に注目されています。
また、評論や翻訳も多数手掛けており、特に日本文学の英訳に関してその功績が認められています。『
万葉集』関連の著作も充実しており、英訳や解説などの活動を通じて、日本文化の理解を深める役割を果たしています。特に「万葉恋歌」や「Man'yo Luster」など、
万葉集に関する重要な作品も手掛けています。
現在
リービ英雄は、現在もなお執筆活動を続けており、日本文学に対する深い理解をもとに、国際的な文化交流を推進しています。その独自の視点と豊かな表現力によって、多くの読者に影響を与え続けています。