リーマ

リーマとは、金属加工において、すでに開けられた穴の径を拡大し、寸法精度、表面粗さ、幾何公差を向上させるための仕上げ加工用工具です。リーマ単体では穴を開けることはできません。ドリルなどで下穴を開けた後に使用します。

リーマの形状は、主に円筒形と紡錘形があります。円筒形のリーマは、穴を均一な円筒状に仕上げるのに適しています。一方、紡錘形のリーマは、加工範囲が広く、様々なサイズの穴に対応できますが、穴が紡錘形になる可能性があります。そのため、用途に応じて適切な形状のリーマを選択する必要があります。

リーマの刃（ウィング）は、直線状のものと螺旋状のものがあります。刃の形状は、加工精度や効率に影響を与えます。直線状の刃は、より精密な加工に適し、螺旋状の刃は、より効率的な切削が可能です。

リーマは、使用する方法によって、ハンドリーマとマシンリーマに分類されます。ハンドリーマは手動で使用する工具で、主に小規模な加工や仕上げ作業に使用されます。一方、マシンリーマはフライス盤やドリルプレスなどの工作機械に取り付けて使用する工具で、大量生産や高精度な加工に適しています。

さらに、リーマは用途によって、荒削り用と仕上げ用に分類されます。荒削り用リーマは、穴の径を大きく拡大するための粗加工に使用され、仕上げ用リーマは、穴の表面を滑らかに仕上げるための精密加工に使用されます。

リーマの種類は、JIS B0173によって規定・分類されています。この規格では、刃部材料、表面処理、構造、取付方法、機能または用途によってリーマを分類しています。

刃部材料や表面処理は、リーマの耐久性や加工精度に影響を与えます。高硬度で耐摩耗性の高い材料を使用することで、リーマの寿命を延ばし、高精度な加工を実現できます。

リーマの構造は、刃の数や形状、シャンク（柄）の形状などによって異なります。構造の違いによって、リーマの加工性能や適応範囲が変わります。

リーマの取付方法は、ハンドリーマの場合は直接手で持ち、マシンリーマの場合は工作機械に取り付ける必要があります。マシンリーマは、使用する工作機械に合わせて適切な取付方法を選択する必要があります。

機能や用途によって、リーマは様々な種類があります。例えば、パイプリーマはパイプの内部を仕上げるためのリーマです。

なお、パイプリーマという名称で、喫煙用パイプの火皿内部に付着したタールや煤、灰などを除去するための専用器具も存在します。こちらは工具ではなく、メンテナンス用品に分類されます。

リーマは、金属加工において重要な役割を果たす工具であり、その種類や用途を理解することで、より効率的で高精度な加工を実現できます。

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