ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦

ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦

ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦（T-AKE）は、アメリカ海軍が運用する補給艦の一種です。この艦級の名は、アメリカの新天地の開拓をした歴史的人物に由来し、日本との開国交渉にも関係が深いマシュー・ペリーの名前が9番艦に名を冠しています。

背景

従来米海軍は、マーズ級やシリウス級などの艦艇を用いて、食料や生活必需品の補給を行ってきました。また、スリバチ級やキラウエア級の給兵艦は武器や弾薬の補給を担当していました。しかし、冷戦終了後は戦闘補給部隊の数が大幅に削減され、残る艦艇のほとんどが老朽化していました。

このような状況を踏まえ、アメリカ海軍は新たな補給艦の設計に着手します。それがルイス・アンド・クラーク級補給艦です。戦闘給糧艦と給兵艦の機能を統合・合理化し、高速での戦闘支援を可能にする艦艇として計画されました。1992年からの計画を経て、艦艇の建造は2000年度から本格的に始まります。

設計と機能

ルイス・アンド・クラーク級の艦艇は、多様な物資の補給能力を持っています。食料や補修部品、武器、弾薬の補給を行うほか、限定的に燃料の補給も考慮されています。艦の構造は、キラウエア級やマーズ級に類似しており、艦橋の位置が艦尾側に配置されています。前方には補給ステーション、後方にはヘリコプター甲板が備わっています。

推進方式には統合電気推進システムが採用されており、ディーゼル発電機4基から大きな電力が供給されます。また、動力は2基の電動機によって推進され、効率的な航行を実現しています。

補給体制

補給ステーションは、ドライカーゴ専用のものが左舷に3か所、右舷に2か所設けられています。給油施設も両舷にあり、さらに右舷には受油口が設置されています。また、岸壁での貨物揚降作業を助けるため、5トンのクレーンが4基装備されています。

艦内には貨物倉も多く設けられており、弾薬やドライカーゴ用の倉庫が2か所、冷蔵・冷凍食品などのための倉庫が1か所、特別な貨物の保管用として3か所があります。これにより艦内での物資の効率的な移動が可能になっています。

標準的な搭載量としては、燃料3,728キロリットル、真水200トン、冷凍・冷蔵食品1,716トン、ドライカーゴ6,675トンがあり、必要な物資を幅広く収納・運搬する能力があります。

運用と同型艦

ルイス・アンド・クラーク級の艦は、海上輸送司令部に属し、民間人によって運営されています。そのため、武装は施されていません。今後もこの艦級の補給艦は、米海軍の重要な戦力として国内外で活躍すると期待されています。

このように、ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦は、アメリカ海軍の補給活動において、不可欠な存在となっています。

もう一度検索