ルイス・フィルミン・デ・カルバハル (ラ・ウニオン伯爵)

ルイス・フィルミン・デ・カルバハル伯爵の生涯と軍事的貢献

ルイス・フィルミン・デ・カルバハル（コンデ・ラ・ウニオン）は、1752年にペルー副王領のリマで誕生し、1794年にフランス革命戦争での戦死までの短い生涯において多くの戦闘で指揮を執りました。彼は1778年にスペイン王カルロス3世からラ・ウニオン伯爵に叙され、以降の軍歴が彼の名声を高めることになりました。

初期の経歴とピレネー戦争の勃発

1793年、フランスとのピレネー戦争が始まると、ラ・ウニオン伯爵はフィゲラスのサン・フェラン城の守備軍として戦いに参加しました。この時、スペイン軍はアントニオ・リカルドスの指揮の下でフランス領ルシヨンの一部を占領することに成功し、彼は中将として1師団を指揮しました。9月22日のトロイヤの戦いでは勝利を収め、名を馳せました。

軍の指導者としての役割

1794年に入ると、リカルドスとオレイリー伯爵が相次いで戦死し、カルバハルは新たな指揮官としての役目を託されます。彼は即座に部隊を再編し、増援を受けてフランス軍に対抗しました。しかし、フランス側の攻勢が始まると、状況は急速に厳しくなりました。特に、4月30日から5月1日にかけて行われた第二次ブールーの戦いでは、スペイン軍は大きな損害を被り、フランス軍に南方へ押し返されてしまいます。

ベルガルド要塞の包囲戦

その後もベルガルド要塞の包囲戦で、ラ・ウニオン伯爵は二度にわたり包囲突破を試みましたが、いずれも失敗に終わります。特に8月13日の戦闘では彼の軍が大きな損失を受け、要塞は9月17日に降伏しました。彼はこの時、最適な戦力を整え、90のリダウトを築いてフランス軍の侵攻を食い止めようとしましたが、部隊の質にばらつきがあったことが響きました。

黒山の戦いでの最期

1794年11月、フランス軍との戦闘が再開され、黒山の戦いが始まります。初日こそスペイン軍が防戦に成功しましたが、翌日にはフランス軍の攻撃にさらされ、劣勢に立たされました。特にデュゴミエ指揮官の戦死後、指揮を引き継いだペリニョンが戦闘を一時的に中断しましたが、20日には再び攻撃が開始されました。ラ・ウニオン伯爵も反撃に出ましたが、戦闘中に致命傷を負い、戦死しました。

この戦闘はスペイン軍の壊滅的な敗北に終わり、彼の死は国にとって大きな損失となりました。彼の後任にはラス・アマリリャス侯爵が任命されましたが、その後の戦局はスペイン軍にとってさらに厳しくなりました。ピレネー戦争は1797年のバーゼルの和約により終結しましたが、ラ・ウニオン伯爵の勇敢な軍事的行動は記憶に留まります。彼の軍歴はこの時代の戦争の複雑さを物語っており、歴史的に重要な人物であったことは間違いありません。

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