ルイージ・トレッリ (潜水艦)

ルイージ・トレッリ（潜水艦）

ルイージ・トレッリは、イタリア王立海軍（Regia Marina）が第二次世界大戦中に建造したグリエルモ・マルコーニ級潜水艦で、その名は元老議員であり、イタリア統一運動に貢献したルイージ・トレッリに由来しています。この艦は、戦時中に商船攻撃を行い、最終的にはドイツ海軍や日本海軍に編入されるなど、非常に波乱に満ちた経歴を持ちます。

概要

この潜水艦はグリエルモ・マルコーニ級の4番艦で、1940年5月にイタリアのラ・スペツィアにて竣工しました。最初の任務として地中海の哨戒任務を経て、大西洋に展開。地中海から出て、連合国の商船に対する攻撃を行い、十分な戦果を上げました。特に、42,871トンの商船を撃沈した実績があります。

しかし、戦況が悪化する中で、ルイージ・トレッリは1943年にドイツ海軍に接収され、改名されました。「UIT25」として太平洋の任務に従事しました。1945年5月ドイツが降伏すると、日本海軍に編入され、伊号第五百四潜水艦と名を改めて終戦を迎えました。最終的には紀伊水道で連合国に接収され、海没処分となりました。

建造とイタリア海軍時代

1939年、イタリア王立海軍は大規模な外洋向け潜水艦の建造を決定し、オデーロ・テルニ・オルランド社に設計が委託されました。1940年にはじめの艦が建造され、続いてルイージ・トレッリが4番艦として完成しました。

1940年6月、ルイージ・トレッリは実戦に投入され、地中海や大西洋での哨戒や攻撃任務に従事しました。特に、アゾレス諸島への偵察任務や商船の撃沈など、多くの戦果を挙げました。主な任務では連合国船舶への攻撃を行い、商船を沈めるなどの通商破壊を遂行しました。

ドイツ海軍時代

1943年のイタリア内戦により、ルイージ・トレッリはドイツ海軍に接収され、UIT25となりました。ドイツ海軍の任務として、潜水艦の運用をイタリア海軍が引き続き行いましたが、指揮権はドイツ海軍に譲渡されました。彼は主に太平洋での哨戒任務に従事しましたが、1945年5月にはドイツ降伏を受けて再び運命が変わります。

日本海軍時代

ドイツ降伏後、日本海軍に接収されたルイージ・トレッリは伊号第五百四潜水艦と改名されました。この艦は日本海軍に編入され、特殊警備潜水艦として艦隊に所属した。終戦直前にはB-25爆撃機の撃墜も記録され、最後まで戦闘に関与しました。

1946年、連合軍に接収された後、この艦は紀伊水道付近で海没処分され、様々な国での浮き沈みの運命を経て静かにその役割を終えました。

結論

ルイージ・トレッリは、第二次世界大戦中に数多くの国での艦艇として生き延びた特異な存在です。海軍史において、彼の名はその多様な運命と共に語り継がれることでしょう。

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