ルッジェーロ1世 (プッリャ公)

ルッジェーロ1世の生涯

ルッジェーロ1世（1060/61年 - 1111年）は、プッリャ・カラブリア公およびシチリア公として知られています。彼は、父ロベルト・イル・グイスカルドと、その2番目の妻シケルガイタの間に生まれました。幼少期から金勘定が得意だったため、「ボルサ」（財布の意）というあだ名で呼ばれることもありました。

ロベルトは最初の妻との間に息子ボエモンと娘エマをもうけていましたが、近親婚を理由に無効となり、サレルノ侯の娘シケルガイタと再婚しました。シケルガイタは戦場にもロベルトに付き従ったと伝えられています。1073年、父ロベルトが病に倒れた際、母シケルガイタはルッジェーロを後継者としてノルマン騎士らに認めさせようとしました。しかし、この時異母兄ボエモンは不在で、反対したのは従兄のアベラルドのみでした。その後、ロベルトは病から回復しました。

1085年、父ロベルトがギリシャ遠征中に死去すると、同じく遠征中であったルッジェーロはイタリアに戻り、公位を継承しました。これに対し異母兄ボエモンは反旗を翻しましたが、叔父ルッジェーロが仲介し、カラブリアを譲渡する代わりにボエモンにはターラントを与え、反乱は収まりました。

しかし、その後も反乱はしばしば起こり、その鎮圧の見返りとして、叔父ルッジェーロや兄ボエモンに領土を譲渡せざるを得ない状況が続きました。ルッジェーロは、1111年に死去し、未成年の息子グリエルモを残しました。

子女

ルッジェーロ1世は、フランドル伯ロベール1世の娘アレーヌと結婚し、3人の息子をもうけましたが、成人したのは末子のグリエルモのみでした。アレーヌはルッジェーロの死後、グリエルモの摂政を務めましたが、1115年に亡くなりました。

グリエルモ（1096年頃 - 1127年） - プッリャ・カラブリア公（在位：1111年 - 1127年）

関連事項

ノルマン人による南イタリア征服
シチリア王国

参考資料

山辺規子 『ノルマン騎士の地中海興亡史』 白水社、1996年

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