ルドルフ1世 (ライン宮中伯)

ルドルフ1世（Rudolf I., 1274年10月4日 - 1319年8月12日）は、上バイエルン公、ライン宮中伯。上バイエルン公兼ライン宮中伯ルートヴィヒ2世とローマ王ルドルフ1世の娘マティルデの長男であり、後に神聖ローマ皇帝となるルートヴィヒ4世の兄にあたります。

生涯

父の死後、ルドルフ1世はライン宮中伯と上バイエルン公の地位を弟のルートヴィヒ4世と共同で相続しました。当初、義父であるローマ王アドルフを援助しようとしましたが、アドルフがルドルフ1世の母方の叔父であるアルブレヒト1世に討たれたことで、ルドルフ1世の立場は悪化します。アルブレヒト1世からの圧力を受け、ルートヴィヒ4世を正式な共同君主として認めざるを得ませんでした。

1308年にアルブレヒト1世が暗殺されると、新たにローマ王に選出されたハインリヒ7世に従い、イタリアへも同行しました。しかし、1313年になるとルートヴィヒ4世と対立し、内戦が勃発します。ハインリヒ7世の死後、ルートヴィヒ4世がローマ王に選出されると、ルドルフ1世はこれに反対し、従弟であるオーストリア公フリードリヒ3世を対立王として擁立しました。しかし、1317年にルートヴィヒ4世に敗北し、廃位されることとなります。その後、ルドルフ1世はイングランドで亡くなったとされています。

ライン宮中伯の地位は、ルドルフ1世の長男アドルフが継承しましたが、実権はルートヴィヒ4世が握っていました。1329年に和睦が成立し、ルドルフ1世の次男ルドルフ2世がライン宮中伯を継承することが認められました。以後、ヴィッテルスバッハ家はルドルフ1世の子孫がプファルツ系ヴィッテルスバッハ家として、ルートヴィヒ4世の子孫がバイエルン系ヴィッテルスバッハ家としてそれぞれ存続することになります。1400年にローマ王に選出されたループレヒトはルドルフ1世の曾孫にあたり、1777年に断絶したバイエルン系ヴィッテルスバッハ家を継いだプファルツ＝ズルツバッハ家出身のカール4世フィリップ・テオドールもまた、ルドルフ1世の子孫にあたります。

家族

1294年9月1日にローマ王アドルフの娘メヒティルトとニュルンベルクで結婚しました。

ルートヴィヒ（1297年 - 1311年）
アドルフ（1300年 - 1327年） - ライン宮中伯
ルドルフ2世（1306年 - 1353年） - ライン宮中伯
ループレヒト1世（1309年 - 1390年） - ライン宮中伯、のちプファルツ選帝侯
マティルデ（1312年? - 1375年） - 1330年にシュポンハイム伯ヨハン3世と結婚
アンナ（1318年 - 1319年）

参考文献

Thomas, Andrew L. (2010). A House Divided: Wittelsbach Confessional Court Cultures in the Holy Roman Empire, c. 1550-1650. Brill

関連項目

プファルツ家

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