ルナ13号

ルナ13号：ソビエト連邦の月探査機

ルナ13号（ロシア語：Луна-13）は、1966年にソビエト連邦がルナ計画の一環として打ち上げた無人の月探査機です。この探査機は、世界初の月面軟着陸を果たしたルナ9号を基にした改良型として設計されました。月面に着陸した際、球形のカプセルが展開し、様々な科学観測を行いました。

設計の特徴

ルナ13号は、着陸機と飛行ステージの二つの主要なユニットから構成されています。着陸機は、月面に着陸するための球形カプセルで、上部は四つの花びらのような構造をしており、それが展開することでセンサーや観測機器が外に出る仕組みでした。

探査機には、パノラマカメラ、土壌調査装置、ダイナモグラフ、放射線計などの観測機器が搭載されており、これによりパノラマ写真の撮影や土壌の性質分析が行われました。飛行ステージには、月へ到達する前に探査機を減速させるための逆噴射ロケットが装備されており、姿勢制御や中間軌道修正の機能も持ち合わせていました。

着陸直前には、ランダーと飛行ステージが分離され、ランダーがエアバッグを使って安全に月面に着陸しました。一方、飛行ステージは月面に衝突し、任務を終えました。

ルナ13号はルナ9号から設計を引き継いでいますが、前のモデルに比べて重量は1700kgに増加していました。また、搭載された観測機器も多様化し、より高度なデータ収集が可能となりました。

打ち上げと運用

1966年12月21日、ルナ13号はモルニヤロケットによってバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。まず、地球を周回する軌道に投入された後、ロケットの地球軌道から脱出するステージの噴射により、月へ向かう軌道に乗せられました。役目を終えた脱出ステージは探査機から切り離されました。

ロケットによる打ち上げからわずか3日後の12月24日、ルナ13号は無事に月面への軟着陸を果たしました。着陸地点は嵐の大洋という地域で、探査機は着陸後すぐに「花びら」を展開し、4本のアンテナを伸ばして観測を開始しました。

12月25日および26日には、探査機がパノラマ写真を撮影し、それぞれ100分かけてデータを地球に送信しました。

正確な運用終了の日時は不明ですが、1966年中に探査機のバッテリーが切れ、業務が終了したと考えられています。

まとめ

ルナ13号は、ソビエト連邦の月探査計画において重要な役割を果たし、月面での科学観測のための新たなステップを提供しました。月探査機としての性能とデータ収集の充実において、ルナ13号はその後の宇宙探査に影響を与えたと言えるでしょう。

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