ルナ23号

ルナ23号について

ルナ23号（Луна-23）は、1974年10月にソ連が打ち上げた無人の月探査機です。この探査機は、月の岩石を収集し、地球に持ち帰ることを目的としていましたが、着陸時に予期しない損傷を受けたため、その目的を果たすことができませんでした。

発射と飛行

1974年の秋、ルナ23号はバイコヌール宇宙基地からプロトンロケットに搭載されて打ち上げられました。具体的には、10月28日の13時30分（UTC）に発射されました。探査機は、無事に月周回軌道に投入され、次のステップとして「危難の海」と呼ばれる地域に向かいました。

着陸の段階では、用意していた計画どおりに月面に降り立ち、岩石サンプルを収集するはずでした。しかし、着陸時に探査機が受けた挑戦と損傷により、そのシステムが正常に機能しなくなりました。2012年に発表されたルナー・リコネサンス・オービター（LRO）による月面画像では、ルナ23号が地表に高速で着陸した後に横転している様子が確認されています。

通信とその後の展開

着陸後、ルナ23号は多くの損傷を抱えているにもかかわらず、その通信機能は機能し続けました。着陸から約3日間にわたり、月面からの電波を地球に送信し続けました。この通信は、探査機がまだ一部の機能を保っていることを示唆しています。

その後、1976年8月には、ルナ24号という同型機がルナ23号の近くに着陸し、サンプルリターンに成功しました。興味深いことに、LROによる解析によれば、ルナ23号とルナ24号の着陸地点は直線距離でわずか2.3kmしか離れていなかったことがわかります。

特異小天体とルナ23号のつながり

2010年5月21日、2010 KQという特異な小天体が地球に接近する事態が発生しました。この小天体は、ルナ23号を打ち上げる際に使用されたプロトンロケットの残骸である可能性が示唆されています。実際、この天体は太陽周回軌道に投棄されたロケットの第4段であると考えられており、科学者たちの間で注目を浴びています。このように、ルナ23号は打ち上げられた後も一連の天文学的な出来事と結びついているのです。

まとめ

ルナ23号のミッションは、残念ながら目的を達成することに至りませんでしたが、その探査の結果と通信機能の継続は、当時の技術的な成果を示すものです。また、後に行われたルナ24号による成功したサンプルリターンと、それに関連する天体の発見は、宇宙探査の歴史の一部として重要な意味を持っています。

もう一度検索