ルネ・ド・フルーレ (テッセ伯)

テッセ伯ルネ・ド・フルーレの生涯

テッセ伯ルネ・ド・フルーレ（René de Froulay, comte de Tessé）は、1648年5月14日にフランスのル・マンで生まれた軍人および外交官です。彼はブルボン朝の名門家系に生まれ、父は同じくテッセ伯であり、弟のフィリベール・エマニュエル・ド・フルーレも軍人として知られています。

軍歴の始まり

テッセ伯はオランダ侵略戦争で軍歴をスタートさせ、1685年には竜騎兵の隊長としてプロテスタントの迫害に立ち向かいました。この頃から彼の軍事的才能が開花し、次第にその名が広がることとなります。1688年には大同盟戦争が発生し、彼は1689年にドイツのプファルツ地方での略奪や荒廃を進めつつ、1693年にはイタリアのピネローロを包囲して陥落させました。

サヴォイア公との交渉

1693年からはサヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ2世と秘密の交渉を行い、1696年にはサヴォイアを戦争から離脱させることに成功しました。これにより、フランスは戦局を一時的に有利に進めました。これを契機に彼は軍の指導者としてさらに重要な役割を果たすようになります。

スペイン継承戦争

1703年には元帥に昇進し、スペイン継承戦争では1704年からベリック公に代わってスペインに派遣されました。特に1705年には、イングランド軍に奪われたジブラルタルの奪回を計画しましたが、マルベラの海戦でフランス艦隊がイングランド艦隊に撃破され、奪回は失敗に終わります。この際にも包囲を解いて撤退せざるを得ませんでした。

また、同年にはポルトガルからのイングランド・ポルトガル同盟軍の進出を阻止する役割を果たしました。1706年には同盟軍の拠点であるバルセロナをフェリペ5世と共に攻め落とそうとしましたが、バレンシアとジブラルタルからの救援が到着し、再び撤退を余儀なくされました（第2次バルセロナ包囲戦）。

トゥーロン包囲戦

1707年、テッセ伯はフランス南部のトゥーロンに派遣され、プリンツ・オイゲンが率いるオーストリア軍と対峙します。彼はトゥーロンを守るために奮闘し、オーストリア軍に対して守備を果たしました（トゥーロン包囲戦）。このように幾多の戦争での戦功を重ねたテッセ伯は、多くの場面で指導的な立場に立ち続けました。

外交官としての活動

その後、テッセ伯は軍事から外交の世界へ舞台を移し、1708年に駐ローマ大使、そして1724年には駐スペイン大使を務めました。特に、フェリペ5世の長男ルイス1世が急死した後の情勢では、フェリペ5世の復位を確認する重要な役割を担いました。

最晩年と死去

テッセ伯ルネ・ド・フルーレは、1725年にフランスのイエールで76歳で亡くなりました。彼の長い生涯は、軍事と外交の両面での多大な貢献をもたらしました。戦争や交渉を通じてフランスの歴史に名を刻んだ彼の業績は、今なお評価されています。

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